OK牧場の決斗

 

ワイアット・アープものを色々観ている流れでこの作品も鑑賞。

冒頭流れる音楽とても聞き覚えのあるものだった。

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全体的な雰囲気も子どもの頃テレビの洋画劇場で親しんできたようなオーソドックスな西部劇の匂いがする。ビクターから出ているビデオには双葉十三郎さんが1957年「映画の友」の7月号に載せられた原稿が許可を得て転載されていて「芸術的香気こそフォード作品(荒野の決闘)に一歩ゆずるとしても、面白さにおいては優るとも劣らない」と書かれているが、私は「荒野の決闘」の方が簡潔にまとまっていてドンパチに力が入っているわけでもなく茶目っ気もありみていて退屈しなく、ずっと好きだったな。こちらは少し長く感じた。

ワイアット・アープの敵のクラントン一家の中でまだ心の柔軟な若き弟ビリーと、ワイアットのやりとりがこの映画の中で一番面白い部分だった。ビリーを演じたのはデニス・ホッパー。純粋な感じがとても出ていて、中年以降のデニス・ホッパーの印象が強い自分には驚き。

ワイアット・アープはバート・ランカスター。双葉さんに「口ひげなしの新型ワイアット」と書かれている。確かに画像検索で出てくるワイアット・アープも口ひげがあるし、いままでみたワイアット・アープものは全部口ひげありだった。

盟友ドク・ホリデイはカーク・ダグラス。この人がマイケル・ダグラスのお父さんか、と思いながらみた。ドクの方がワイアットよりいつも色気のある役で必ず女のエピソードが出てくる。

ビデオジャケットには「遂にきた男と男が男を決めるとき」とあるけれど、女はあまりちゃんと描かれているとは思えない。双葉さんは解説でドクの彼女ケイトのことを「ジョオ・ヴァン・フリイトのような練達の女優をキャストしたことからも(監督)スタアジェスがいかにこのケイトを重く見ていたかがわかる」と、あるが、自分にはちょっと何を考えているのかわからない、いまいち魅力に欠ける描きかたにみえてしまった。(腐れ縁的なものを外からみている感じか?)ワイアットの恋愛話に至っては双葉さんも「このロマンスは残念ながらつまらない。彼女があらわれる場面は陳腐でダレる」と書かれている。まあそこまでひとくもなかったけれど。

ドラマ性より史実重視で人気のなかったカスダン監督の「ワイアット・アープ」を観ておいたのも背景理解には一役かったなとは思ったりしている貧乏性で必死な私。