実録忠臣蔵(1928)

「下鴨映画祭」*1池田富保監督の「忠臣蔵」(1926)を弁士掛け合いで観て戦前の「忠臣蔵」も難解ではないなという感触を持ち、牧野省三監督のこちらの映画も観てみた。

よく拝見している忠臣蔵のファンサイト「くすや」での紹介↓

kusuya.net

マツダ映画社から出ていた松田春翠活弁版のビデオを鑑賞。

 

マキノ雅弘大石主税に扮していたり、上の「くすや」のサイトにもいわくが書いてある片岡千恵蔵の出番がそれでもなかなか目をひいたり(二役だったそうだが、服部一郎右衛門という、討ち入りを終えてからさりげなく赤穂浪士に味方する幕府方の役は特に目立っていた。このエピソード、池田監督版でも出てきていた。)、あとで調べると自分の好きなアラカン(結構目立つ役)や杉狂児も出ていたらしい。また雪の上での撮影も。

wikipedeia等をみていると、なかなか大変な経緯を経て今この形でみられているらしい。

ja.wikipedia.org

大石がいよいよ討ち入りという時主税以外の妻子と別れるところ、池田監督の「忠臣蔵」でもじっくり描かれていたなあ。この映画では浅野の位牌の箱に太夫の人形を仕立て裏にちゃんと位牌があることから、表向きは遊んでいるように振る舞っているが、ほんとは主君のことを忘れていないということを夫人に悟らせ、芝居に意志的につきあうという描写が組み込まれている。豊岡の実家に妻子は落ちていくという話だったが、豊岡で大石りくのことを書いたボードなどをみたな。(↓豊岡には遺髪塚があったり、「りく祭り」が行われたりしているらしい)

tanshin-kikin.jp

立花左近という大石が東くだりをするときの変名がらみのエピソード、こちらでも披露されるがあっさりしている。自分が観た中ではバンツマが大石の「忠臣蔵 天の巻/地の巻」*2での展開がとても印象に残っているな。

先日甲斐荘楠音時代考証目当てで観た「赤穂浪士 天の巻・地の巻」(松田定次監督 昭和31年)でも出てきていた。

www.kusuya.net

忠臣蔵」ものも観比べが楽しい。