コミック

重版出来 7

この作品、テレビドラマが始まったが、相乗効果で楽しめる。特に荒川良々が演じているラーメンの好きな先輩、荒川良々のひがんだような色彩でコミックで出てきても今まで以上にぐんと私の胸の奥底に溶け込んでくるようになった。主人公の体幹がしっかりして…

おんなの窓 5

伊藤さんは40代とのことで私より少しお若いのだけど、中年あるある(オビにも載っている幼稚園の若い先生の描くハートをみて、自分の描くハートがなんか古いと認識とか。。)満載で楽しめるし、リラックスできる。 西原理恵子さんが、それぞれ再婚の伊藤さ…

海街diary 7 あの日の青空

先日伊藤比呂美さんが西日本新聞に「熊本の皆さんへ あたしたちは弱い。助け求めて」という記事を載せておられたけれど、ちょうどこのコミックの内容を思い出すことに。 話すところまで持っていくっていうのも気持ちの成熟が要る。伊藤さんの文章はその垣根…

おかゆネコ 1,2,3

吉田戦車さんにしたらおしゃれな表紙。吉田さんの描く猫の線が本当によくて。現実的で世話好きのおかんみたいな雄猫ツブがほんとかわいらしくて。猫がしゃべるっていう、猫を飼ってたら一度は体験してみたい設定ながら、それを「しゃべり病」というネガティ…

プリンセスメゾン2

女ひとり居酒屋勤務=マンションを買うなどということとは縁遠し、なんて勝手な常識にじわじわ攻めこむコミック。内外から称賛される、なんていう派手な働き方でなく、ちゃんとまじめに周りのことを考えながら働いていってる人に光をあてていて気持ちの良い…

ねこねこ日本史 2、猫ピッチャー 4

「ねこねこ日本史」の一巻目*1を読んだとき、「猫ピッチャー」ありきの物語のようにも思ったりしたが、なかなかどうしてこれはこれでおもしろい・・ねこが歴史上の人物だったら・・って話だけど、歴史に興味を持つきっかけにはなる。今回興味を持ったのは伊…

おかあさんの扉 5

日曜の午後にゆっくり理佐さんの暮らしをのぞかせてもらう時間・・・なんかいい感じ。 お嬢さんは5歳。おもしろいことをいうようになっている。理佐さんがちゃんと持ち物とかいれてくれたか心配して「ドキドキするよぅ ドキドキするんだよぅ」って言葉・・…

雪花の虎 2

この巻では上杉謙信と武田信玄の対比が出てくるのだけど、はじめ謙信の名前が晴信、謙信の兄が晴景と似ていて、両者それぞれとは個性の異なるきょうだいがいたり、強い父がいるもので、混乱してしまった。途中から大丈夫になったあとは、のちの謙信、主人公…

くるねこ 6

大好きな「みわのもんさん」(美輪明宏さま風の威厳のある御老体の猫ちゃん)の子猫の時の話、(4章「にゃさんの窓」)がすばらしい。遠い時と場所の記憶、猫のこと超えて感じ入る人多いのでは・・くるねこ 6作者: くるねこ大和出版社/メーカー: エンターブ…

なのな フォト ゴロー 4

シンプルで幼くもみえる森下裕美さんの絵は擬態だといつも感じる。どの作品人間のネガティブなところもちゃんと描きこまれ、どうしようもないことはどうしようもないものとして、でも出口を描く・・だからこそ、息長く評価され仕事を続けてこられているのだ…

毎日かあさん 12

この作品は完全にサイバラ家の大河ものになっているなあ。「母娘つんつか(絵柄は鳥がつっつきあう様)編」として、娘さんの反抗期のイライラをとりあえず作品上はそれをネタにする余裕をみせておられる。伊藤比呂美さんの「伊藤ふきげん製作所」*1っていう…

BILLY BAT 18

読んでいるうちに、「BILLY BAT」の描き手の変遷はダライ・ラマの転生のようなお話なのか・・と思ったり・・ ターバンを巻いているような地域で、自由に絵を描くことへの弾圧のような話が出てきていて、今の時代の出来事をもちろん思い起こさせられドキドキ…

きのう何食べた?11

シロさん、今まで二人で食費 月25000円でやっていたのか!えらい!(ただし昼食外食は別)小麦粉の値上がり・・私もあれ?と思っているところ。 そしてケンジさんのヤバいコレステロール値は私もで、トランス脂肪酸(マーガリンの原料、市販のケーキやクッキ…

ちはやふる 30

頼れる部長真島がかるた部にいなくなってしまったあと、リーダーというよりはエースであるちはやが、真島の息吹を感じながら大会に挑む。いなくなった人の思いを背負って・・というのには、裁判などで遺影を掲げている姿を思い浮かべるが、存命でもその場に…

信長協奏曲 13

大河ドラマ「真田丸」と時代が近い楽しさ。 明智光秀がちょっとずつ雰囲気かえてきたなあ・・ この物語での森蘭丸の描き方がとてもけなげでかわいらしい。信長協奏曲 13 (13) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者: 石井あゆみ出版社/メーカー: 小学館発売…

まんが親 4

娘さん5歳 だんだん大きくなってきている。人間と人間のやりとりがはじまっている感じ。(娘さんの友達男子に吉田さんが気を遣われたり・・) 娘のいう不思議な言葉、わたしも経験があるし、温泉なんかでもよそのお子さんのいってる言葉が面白かったりする…

ちはやふる 29

今までなんだか敵チームの嫌味人間に見えていたヒョロ君に光が当たる。天才的な人間だけをよしとして描くのでなく、参謀や面倒見のよい人間もあってこその組織という視点・・自分の学生時代のクラブ活動を思い出すとほんと恥じいる。 京都在住クィーンのしの…

団地ともお 25 26

25巻 普段現実をきっちり描いているから、「謎ときはおかしのあとでともお」「プラスチックの仮面だともお」のような、そこから飛び越えたような話もすんなりはいってるくるなあ。 26巻 「枝島の空にともお」(刑務所のマーケティングみたいな話)好き。 委…

重版出来 6

モンスターともいわれるような、他人との共感性とか無視して生きているコミック作家。。主人公の編集者のねじくれていないサポートがあるから読んでいる方もしんどくない。かなり救いになっている。 出版周りの話を、安野モヨコの「働きマン」*1とはまた違っ…

七つ屋志のぶの宝石匣 2

二ノ宮知子さんの描く世界の安心感と明るさがこの宝石×質屋という、なんだか一つ間違うとえらくドロドロしてしまうような、あるいは、他人事感を遠ざける。二ノ宮さんは、無縁な世界の人にディープな世界の話をするのがうまいな。 「匣」の字を使うところが…

まめねこ 5

お父さんと柴犬のくだり、ぐっときた。なんか犬の話が多くなってるなあ。。犬のまっすぐな表現はほんとかわらしいものな。男の人に厳しい(笑いのネタにしてしまう)とみせかけて、実は、この作品の中のお母さんのように、男の人の弱さをわかってこっそりか…

東京タラレバ娘 4

なるほど日本版SATCだったか・・でも、今回の友人たちのおせっかいはほんとたまらない・・だいたいにして女同士で恋愛についてくっちゃべるとロクなことが起きないような・・ロマンとの相性が非常に悪い気がする。東京タラレバ娘(4) (Kissコミックス)…

団地ともお 22

一番好きだったのは第12話 「女子プロレスよ永遠なれともお」。サーカス芸をプロレスに取り入れた往年の女子プロレスラー ミスボリショイ・・いいね!団地ともお (22) (ビッグコミックス)作者: 小田扉出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/07/30メディア: …

聖おにいさん 12

宗教的なことと現代の風俗のとけあわせかたがおもしろい作品なのだけど、そのどちらも浅すぎても深すぎても読者が離れてしまうという頃合いがあると思う。この巻はとてもバランスが良いと思う。IKEAと北欧神をからませてるのおもしろい。ロキ・・スマホのゲ…

きょうの猫村さん 8

しあわせなとき・・猫村さんの新刊が目の前にあって読み始める時間。 ミスったりして窮地に陥った猫村さんが焦ってからだをなめはじめるしぐさがリアルとファンタジーの懸け橋になっていてとても好き。きょうの猫村さん 8作者: ほしよりこ出版社/メーカー: …

月影ベイベ 6

受け身だった蛍子が一歩踏み出した巻。思いを伝えることで動く状況。月影ベイベ(6) (フラワーコミックスα)作者: 小玉ユキ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2015/10/09メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る

薄幸日和

主人公の名前は「五番町夕霧楼」のヒロインと同じ夕子さん。つぶあん入り生八つ橋の「夕子」もあの小説にちなんだものだったとは! 生八ツ橋に包まれているいろんなバリエーションの餡の味について(このコミックにもメロン味イチゴミルク味・・などなどずら…

雪花の虎 1

東村アキコさんが描く上杉謙信。東村さん、歴史ものどうなんだろう?と思っていたが、東村さんにしかできない表現の仕方がある。なんか元ヤンの先生風というか、歴史とはこう語るものという定型を超えた説明の仕方、現代っぽく描く人間の感情表現、歴史嫌い…

ねことじいちゃん

「まめねこ」*1のねこまきさんの描く海のみえる階段の多い町に住むおじいさんと猫の物語。私の頭の中のイメージでは尾道、そして下津井。小津安二郎の「東京物語」のその後のような感じ。「まめねこ」の方では心優しき存在というだけだったおじいさんの暮ら…

3月のライオン 11

この作品、作者の羽海野チカさんが渾身の力で送り出しているような気配をいつも感じる。 集団から孤立すること、その中には家族という一昔前までなら愛することが当たり前とされているものからの血を吐くような分離や決別ということも含まれていて、そうせざ…