雪花の虎 1

東村アキコさんが描く上杉謙信。東村さん、歴史ものどうなんだろう?と思っていたが、東村さんにしかできない表現の仕方がある。なんか元ヤンの先生風というか、歴史とはこう語るものという定型を超えた説明の仕方、現代っぽく描く人間の感情表現、歴史嫌いな人のためのワープページなどがおもしろい。でも、ただかみくだいてあるのでなく、謙信のお城の上越市に行き資料をみて自分の中の謙信を作ってそれを作品として描いている。
兵法の書「三略」の話題で出てくる、将たるものにふさわしくない十の過ち、「十過」。なかなか参考になる。
なんでも自分で処理してもダメだし、仁がありすぎて厳しさに欠けてもダメ、考えすぎて臆病になってもダメ。清廉であって人にそれを要求するのもNG。
なんか、東村さんは兵法で説くようなコーピング能力に長けている感じがする。