みたのはVHS版で。VHS版は下に貼ったような↓こんなジャケットになっていたけれど、なんという通俗趣味!酷い。映画全体の雰囲気はブルーレイ版のジャケット風。端正な映画。アカデミー賞では美術賞と衣裳デザイン賞の二部門でノミネートされたそうだ。
ヴァージニア・ウルフの原作、時や性別を越えた物語ときき、ついていけるか心配だったが、物語にぴったりのティルダ・スウィントンが人生の課題に直面するさまが潔く美しく良い時間を過ごせた。
三島島由紀夫の「豊穣の海」も連想。長い時を生きていく主人公オルランド、途中で性別が変わっても、同じ人間なんだけど、ヴィクトリア朝では、女性に財産を継承する権利がない。そこからの話も作戦めいていなくとても清々しい。
性別を超えて生きていくということでもう一つ思い出したのは、上杉謙信女性説で描かれている「雪花の虎」。ちょうど8巻と9巻を読んだところだけど、歴史ものとして読むと恋愛っぽいことに軸足が傾きすぎている感じもしたけれど、産む性としての女性ということからは逃れられないし、女性が仕事をする上でいつもひっかかるのはそこで、それに触れるのは大事なことだなと思いなおしている。
8巻では無知ゆえ自分が知らない人たちが色々出てくるからか読むのに時間がかかってしまった。朽木とか高野山とか身近な土地なのに。千利休登場。食わせ物的な風味。
9巻では、弘治2年高野山に向かった逸話が。ネットでよくお話しさせてもらっている方が、若き黒柳徹子さんのNY行きとの共通点を指摘されていて、頷く。高峰秀子さんのパリ行きのエピソードも思い出す。