コミック

ちはやふる 28

ビスコンティの「山猫」でも出てくるように、世の中は変わり続けるのであるから、人間もそれに対応していかなければならない・・この長く続いた作品もいつまでもハッピーの繰り返しというわけにもいかない。一皮むける時が来ているんだなあ。前巻にくらべる…

BILLY BAT 17

9.11の巻。声高に報復行動をうながしたり、逆に戦争反対の運動にすぐに移れるわけでもなく、どうしたらいいのだろうと自問し、古本屋に集う人たち。オタクにはオタクの考えが、そして力があるはずであるという物語。「20世紀少年」*1や「21世紀少年」で音楽…

しばおっちゃん

「まめねこ」の作者が描いた家庭持ちの中年サラリーマンは柴犬化するというお話。ソフトバンクの犬のお父さんより冷遇されている感ありでなんだかかわいそうになってしまう。 ラインやtweetでしかコミュニュけーションがとれない新入社員の佐倉の姿みてると…

東京タラレバ娘 3

巻を追うごとにおもしろくなっている気がする。東京が舞台のSATC。「主に泣いてます」*1と同じような事態が起きていても、あっちみたいに非現実に陥ることなく、リアルで好ましい。踏み込んでいておもしろい。東京タラレバ娘(3) (Kissコミックス)作者…

マキーナ

新しい才能に興奮する。アンドロイドと小学生たちの物語だけど、小学生たちの人物設定がしっかりしていておもしろい。強気の女子のリーダーなんてヒールっぽいキャラクターもとても魅力的に。(強い視線に猫に似たものを感じる。猫もたくさん出てくるので、…

ジゼル・アラン 5

細かく描きこまれた絵。これをすすめてくれたひとは内田善美さんが好きだったけれど、なにか似通ったものを感じる。こっちの方が元気な感じだけれど。 「100分de名著」の「斜陽」の回をみていると、「斜陽」に出てくる母親が「生れついての優雅さ」という言…

団地ともお 21

先日仕事場に小学生がやってきて、「『団地ともお』みたいな状況だな・・・」と思った。小学生の思慮の限界、大人とは違う振る舞いに驚かされるところをうまく作品にしているなとつくづく思う。 驚くような想像力で、飛躍したお話でも、「ともおならやるかも…

銀の匙 13

もう三年生。それぞれが自分で工夫して自分の人生行路をひらこうとしている。チーズのことがしたくて、フランスまで留学にいった女の子の、(その留学は少しもとの思惑からははずれているものだったけれど。。)ピザの隠し味としてのブルーチーズの提案いい…

かごめかごめ

全篇フルカラーの静謐な世界。「繕い裁つ人」*1や「サウダーデ」*2のように自分の手を動かして暮らしていく美しさ、でもその均整を破るパッションを静かながら描く作品。舞台は修道院。「そして時はたち・・」という感じで、何年後かの様子がさりげなく描か…

乙嫁語り 7

この巻は今までの流れからちょっと離れてペルシア。姉妹妻という風習の話。なんだか今回扇情的な画が多かったような・・乙嫁語り 7巻 (ビームコミックス)作者: 森薫出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2015/02/14メディア: コミックこの商品…

くるねこ 5

やっぱり年長の美輪のもんさんがいい。その次好きなのは、江戸の火消し職人のようなカラスぼん。くるねこ 5作者: くるねこ大和出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2010/02/15メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 12回この商品を含む…

団地ともお 20

わたしの好きな吉田君(大食いやゲームの活躍が多い・・)にまつわる「最高のトレーナーは誰だともお」、ひとのこころに住む天使と悪魔、ポジティブとネガティブをテーマにした「バランスは大事だなともお」が好き。団地ともお (20) (ビッグコミックス)作者:…

大奥 第十二巻

徳川家斉!そうきましたか! でもよいまとめ方だった。大奥 12 (ジェッツコミックス)作者: よしながふみ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2015/06/26メディア: コミックこの商品を含むブログ (25件) を見る

きのう何食べた? 10

先日友人と、自分の年齢に従って同じ作品でも誰の立場でそのストーリーをみるかかわってくる・・という話をしていたのだけど・・私は今50代のシロさんと同年代なのに、シロさんのご両親の立場でこの作品を読んでいる。(なるべくあの子に迷惑かけないように…

なのな フォト ゴロー 3

都会で自力でなんとかかんとか生きていく人々の姿。 おごってあげたい人ができたとき、よい鍋を買っておいしいおでんを作ってみる素敵さ。 この巻から出てくる花屋のジュイチ君は、「ともちゃんはすごいブス」*1に出てきた男の子に似ているなあ。(それだけ…

ニャ夢ウェイ 4

ニャ夢ウェイ、松尾さんの飼ってた「オロチ」という猫のからはじまって、「オロチ」が元妻にもっていかれてから「チース」という猫がきたのだけど、3巻*1で二代目猫「チース」がはじめてあらわれたときはなんか落ち着かなかったのだけど、この巻での「チー…

プリンセスメゾン 1

まぼろしの国に住んでいるような作風の池辺葵さんが、マンション購入の話とは・・と驚いたけれど、おおこういうフィールドでも池辺ワールドが広がっている・・と嬉しくなる。町の片隅でちゃんと生きている人に光あてる人なんだな。確か寺山修司が全点豪華主…

月影ベイべ 5

小玉さんの描く男性、清潔感あって魅力的だよな。。。 ずっと謎としておいてあったところが話された巻・・これからどうなるのかな・・「坂道のアポロン」にしても大河純愛ものうまいなあ。月影ベイベ 5 (フラワーコミックスアルファ)作者: 小玉ユキ出版社/メ…

信長協奏曲 12

当代中村勘九郎似のきりりとしたまっすぐな顔。。と思ったら森長可。今までも出てきていた登場人物なのにこの巻でそれを強く思った。今までは弟、森蘭丸の視点でちょっと目の上のたんこぶ的に描かれていた感もあるからなあ。 竹中半兵衛の、能ある鷹は爪を隠…

団地ともお 19

基本どの人もまじめに生活している上でのおもしろさっていうのがなんともいえずこの作品の魅力だな。 無声映画風の「絆は静かに紡がれるのだ ともお」、「ペットの生き様を見守るんだ ともお」などの甘すぎないタッチがとても良い。団地ともお (19) (ビッグ…

くるねこ 4

3巻でお別れかと思っていた老猫美輪のもんさんの話が出てきてうれしい。くるねこ 4作者: くるねこ大和出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2009/07/04メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 17回この商品を含むブログ (21件) を見る

猫とふたりの鎌倉手帖 1

「片桐くん家に猫がいる」の片桐君が成長して結婚生活を鎌倉で送っている。引き続きのネコたちの描き分けが楽しい。(わたしはすましているお姉さん猫と、まるで考えてないはちわれちゃんが好き。あ、でもワイルドな男の子も、若衆もそれぞれにかわいいな。。…

ちはやふる 27

恐るべき新人に脅かされる感じ・・自分が新人として新しい世界に入っていくより愛するなじみの世界が変容してきている・・っていうことのほうがダメージが強いような気がするなあ。。 新の姿いいなあ。それこそがおまけコミックにあった菫の弟葵の「定言命法…

BILLY BAT 16

ティミーの、どっち側なんだ!とはっきりしない描き方うまい! 時代が流れて、あの時のあの人がいま・・という表現、大河的な楽しさがある。BILLY BAT(16) (モーニング KC)作者: 浦沢直樹,長崎尚志出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/03/23メディア: コミ…

重版出来 5

写真の調整をする人、紙の選定に携わっている人など、表表紙にはあまり名前の出てこない職人さんたちに光をあてた巻。ひいては、本の配送の現場で働く人の物語まで。 パワーのある物語を紡ぐが、画力のない中田。そして、ただまっすぐに心のままの発言をする…

BANANA FISH 11、BANANA FISH ANOTHER STORY

11巻の登場人物たちがおさまるところにおさまる感じ!「ANOTHER STORY」の心にしみる感じ。かなさんが、「ANOTHER STORY」まで読んだほうがいいとおっしゃってくださったとおり。11巻につけられたエッセイで村山由佳さんが「ANOTHER STORY」に入っている「…

BANANA FISH 10

共闘によるリーダーとしてのストレス、苦悩を描いているところ、深い。この視点の奥行は、「海街diary」*1にもつながるものを感じる。 恋愛ではない絆がベースになっているところがつくづくこの作品の良さだなあ。Banana fish (10) (小学館文庫)作者: 吉田秋…

東京タラレバ娘 2

1巻を読んだとき*1はずいぶんヒリヒリするなと思っていたのだけど・・なかなかおもしろくなってきた。三人の様子が深まってきた。軽快なタッチだけどギャグに走っていないところもいいかも・・東京タラレバ娘(2) (KC KISS)作者: 東村アキコ出版社/メーカー:…

猫ピッチャー 3

いま、新刊をみかけた時、一番にまにましてしまう本。ネコがきっかけで野球までちょっと関心をもってしまう。今回知った言葉「先乗りスコアラー」。猫ピッチャー 3作者: そにしけんじ出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2015/05/08メディア: 単行本(ソ…

BANANA FISH 9

一難去ってまた一難。とっかえひっかえあらたなる敵が。フォックス大佐やばそうだけど、いかにもの人って策士策に溺れるというところがありそう。Banana fish (9) (小学館文庫)作者: 吉田秋生出版社/メーカー: 小学館発売日: 1997/05/01メディア: 文庫 クリ…