60'S

さらばアフリカ

「世界残酷物語」*1「さらばアフリカ」「残酷大陸」と、すすむにつれ、どんどん技量があがっている、というようなことをきき、借りてみた。「世界残酷物語」も再現フィルムというか、映像に勝手な解説をつけているという感じのところもあり、実在するであろ…

ヤコペッティの世界残酷物語

タイトルは知っていたが、ずいぶん悪趣味なものでは?と思っていたのだけど、ふや町映画タウンのおすすめビデオということでみてみた。 自分がこどもだった60年代から70年代にかけて、興味本位に煽り立てられていたものを大人になってから「あれはなんだった…

好色一代男

歌舞伎のだしもの×雷蔵ってことで、先日みた「弁天小僧」*1と同じところに勝手に頭の中で分類してしまい、伊藤大輔監督にしてはなんか中村玉緒を縛りつけるところとかえらく耽美的だなあと思ってみていたら・・・そうだ、これは増村保造監督だった!どおりで…

泥棒野郎

ビデオジャケットによると「幻の第1回監督・主演作品!これを見ずしてウディ・アレンは語れない!?」なんて書いてあり、あまり期待できないのかと思いきや、しゃれていて、すごく楽しめた。ドキュメンタリータッチで、ウディ・アレン演じる間抜けな泥棒の人…

ニコ・イコン

何かを検索していて偶然みつけたこちらのサイトに紹介されていて、興味を持ってみてみた。 アラン・ドロン、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ルー・リード、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコアーティスト: ヴェルヴェット・アンダーグラウンド…

マイ・バック・ページ

当たり前だが、60年代終わりから70年代の空気が、山下敦弘監督の映画*1よりずっとずっと色濃く感じられた。いろいろな書かれているエピソードがかなり魅力的。そもそも学生運動というもののはじまりにあったという研究が企業にいいように使われてしまうこ…

マイ・バック・ページ

川本三郎さんがこの作品の頃について鈴木邦男さんと語っている本「本と映画と『70年』を語ろう」*1を以前読んで以来興味を持っていたのだけど、現代の人達が演じるこういう年代の物語って顔立ち雰囲気等々のおしゃれさが邪魔をする場合が多いので多少危惧し…

マリアンの友だち

なんともいい映画。14歳のNYに住む少女たちがピーター・セラーズ扮するピアニストに夢中ごっこみたいなのをして・・という映画だけど、この感じものすごくよくわかる。「ゴースト・ワールド」はこれをヒントに、と書いてあるブログ*1を拝見したが、なるほ…

沓掛時次郎

少し前に活弁版をみたこの作品。今回は市川雷蔵版で。あっさり、定型どおりだった出入りのシーンにエンターテイメント性が増していたり、宿屋のおかみさんを杉村春子が演じることで人物造形がしっかりしたり、市川雷蔵の歌がはいっていたり、戦後の娯楽作品…

瞼の母

「反逆児」*1に続き中村錦之助フェア?子犬のようなまっすぐな瞳に魅力があり人気があったのがよくわかる。サイレント版の「瞼の母」*2とはラスト変えてあるけれど(多分舞台の方ではこっちと同じラスト)どっちもそれなりでいいかも・・サイレントにはあの…

反逆児

今川家出身の母と、家康を父に持ち、織田家から妻を迎えた信康という武将の政略結婚による板挟みによる悲劇を描いたもの。伊藤大輔監督のおすすめに挙げている方がいらっしゃったので見てみた。徳川信康という人物を知らなかったものでついていけるか心配し…

婦系図

有名な「別れろきれろは芸者の時に〜」というセリフだけ知っていて他なにも知らなかったお話だけど、韓流ドラマみたいなジェットコースターぶりに驚いた。恩師の酒井が自分のコンプレックスを刺激され苦し紛れに・・みたいなところはわかるのだけど、雷蔵演…

十三人の刺客

片岡千恵蔵氏の戦前の映画のビデオ屋さんのおすすめを見続け、おすすめマークのついているものはだいたいさらってしまったので、昭和38年のこの作品をみる。片岡千恵蔵氏はすっかり貫録の大御所に・・副を務めるアラカンさんがかなりいい場面が多し。いよい…

男はつらいよ

wowowで第一話をやっていてなんとなくみていたらそれぞれ(寅さん、タコ社長、おいちゃん等々)のセリフとかテンポよくて、罵倒の言葉とかおかしくて、完全に惹きこまれた。津坂匡章(現芸名秋野太作)が子分役をやっているんだな。もっと後の寅さんしかみた…

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

ミュージカルになったり80年代にリメイクされたりしているけれど、もともとのオリジナルはこの1960年版らしい。緻密に作られたというよりは着想のおもしろさがキモという感じの映画。 食虫植物の突然変異で人間を食べちゃうという話なんだけど、植物の…

ボッカチオ

「NINE」をみて中途半端なイタリア風がすごく気になって、お口直ししたくなり、本物のフェリーニをみることに。フェリーニだけでなく4人の監督によるオムニバスなんだけどとってもよかった。 デカメロンの現代版のお色気タップリコメディーとビデオジャケッ…

2001年宇宙の旅

いつかちゃんとみようと思っていたこの映画、先日テレビで放映しているのをたまたまみて、宇宙船の中のデザインのスタイリッシュさにみとれ、さらに、なんだかすごいことになっていくストーリーにひきこまれ、改めて最初から以前とってあったビデオでみてみ…

口笛の歌が聴こえる

四方田犬彦氏の「ハイスクール1968」*1に描かれていた東京の風景や、公開していた映画など、あの時代のテイストがすごく好きで、同じようなものを味わえる本をおたずねしたら本に詳しい方が教えてくださったのがこの本。昭和六十年に刊行されたのでちょっと…

パッチギ!対談篇

「パッチギ!」のプロデューサーでシネカノン代表の李鳳宇氏のことはあまり知らなかったのだけど、どうも京都や大阪の自分の大好きな映画館とも関わっておられる感じ?この本が発行されたのは2005年。今、李氏は、ピンチのようだけど、東京の進学校出の四方…

奇跡の丘

昔学校で聖書を習っていた時の一言一句をなぞるような体験。すごくちゃんと丁寧に描いてある。でも、もちろん凡庸な聖劇ではない。しょっぱなの受胎告知からして、こういう風に撮るのか〜という衝撃。表情をきっちり押さえるあの視点。奇跡の丘【字幕版】 [V…

アポロンの地獄

自分にとって初パゾリーニ体験。パゾリーニ、「ソドムの市」の監督、ということで、かなりエグい感じかな、と思ってもおり、しかも題材もオイディプス王だし・・とレンタルを躊躇していたところ、これはさらっとしたものだとすすめられ・・うん、確かに。 ギ…

ハイスクール1968

これくらいの年代に作られた映画がとても好きな私には、映画の背景がきっちり文章で表現されていて(たとえば野良猫ロックに出てくる新宿西口の広大な空き地や、路上で行われるハプニング演劇とか)とてもわくわくするものだった。自分が上京したのは82年…

かぶりつき人生

神代辰巳監督のデビュー作ということで荒削りなんだけど、なんかその乾いた生命力みたいなものが魅力のある作品。田中小実昌原作らしい題材、そして空気が流れている。モダンなところはモダン、どろくさいところはどろくさい、でもトータルにみるとかなり惹…

スイート・チャリティ

フェリーニの「カビリアの夜」*1をアメリカでミュージカルにしたもので、ストーリーに純粋にはいりこめるのは「カビリア〜」の方なのだけど、ミュージカルの画面が大変凝っていておもしろく作ってあり別のみる価値が発生している感じ。60年代後半らしい風…

千夜一夜物語

とにかく豪華。主人公の声は青島幸男、相手役が岸田今日子、友情出演で遠藤周作や北杜夫なども・・いかにも70年代前後(本作品は69年製作)の大人の文化祭みたいにわさわさしているところも魅力だし、完成度は高く、アニメの「リボンの騎士」に感じたほ…

ビバ!マリア

「死刑台のエレベーター」のルイ・マルとジャンヌ・モローが意外なものを。ジャンヌ・モローがドサ回りの踊り子という設定に驚いた。そしてストーリーの大胆な展開に。ブリジット・バルドーのかわいらしさが全開。巡業馬車のデザイン、二人や道化役の衣装な…

絞死刑

「少年」(1969年)、「儀式」(1971年)、「夏の妹」(1972年)などと一緒に、日本映画チャンネルで特集放映されていたこの作品(1968年製作)、これらの映画をみると、どれも出てくる俳優さんが重なって、そして、熱く、その当時の日本の問題を表現しようとしてい…

少年

当たり屋一家のロードムービーなんていうと、80年以降だったら軽妙なタッチでまとめられてしまいそうだけど、観念的で象徴的なシーン、前衛的な音楽が続く。いかにも60年代の大島渚の映画って感じ。小山明子がはすっぱな、だけど魅力的な後妻役で出てい…

博奕打ち 総長賭博

三島由紀夫が絶賛していた映画らしく、橋本治の評伝でもこの映画をベースに、「とにかくがまんがまんで、最後までこらえにこらえ爆発する美学」をもっていた、というような文脈で書かれていたのだけど、ほんともうネゴシエイトしていい方向を・・とかとは真逆…

痴人の愛

谷崎潤一郎の原作をかなり換骨奪胎してるかな?小沢昭一扮するドMのご主人さまが撮る大楠道代のナオミの写真は60年代モダン!って感じですっごくかっこいい。とっかえひっかえのナオミのファッションも。(ビキニっぽいのとかも)ほんとナオミは猫そのもの…