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当たり前だが、60年代終わりから70年代の空気が、山下敦弘監督の映画*1よりずっとずっと色濃く感じられた。いろいろな書かれているエピソードがかなり魅力的。そもそも学生運動というもののはじまりにあったという研究が企業にいいように使われてしまうことへの反発という動機はこの本を読んではじめて感じ取れた。
阿佐谷のひだまりのような喫茶ぽえむには京都のほんやら洞と同じ空気が流れているように見受けられる。みうらじゅん氏も書いていたが中央線には確かに京都、特に左京区的なものが流れている。麿赤児氏や、中央線つながりの話ではなかったが、鈴木いづみさん、中津川フォーク・ジャンボリーのはっぴいえんどの描写も魅力的。鈴木さんについてはもうちょっとちゃんと知りたい。

映画でも特別な輝きに彩られていた東大共闘議長の山本義隆氏、京大全共闘の滝田修氏、といった名前もメモをとっておこう。
テンプテーションの「マイ・ガール」、プロコル・ハルムの「青い影」などが入っているというローレンス・カスダン監督の「再会の時」もみてみたい。

amazonの書評を読んでいると題材が題材だけに厳しい意見も多いこの本だけど、山下監督が参考文献としてあげている本など読んでみようかな。

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