2015-01-01から1年間の記事一覧

ラジオ・デイズ

1987年作品。公開当時20代だった私は、いつものウディ・アレンの大人同士のドロドロがなくておとなしい映画だなと思ってしまっていたのだけど、今回もう一度見て、その時よりずっとずっと楽しめた。俳優陣や音楽の贅沢さ、フェリーニの「8 1/2」をウディ…

コンバット2

「コンバット」は色々な会社から出ていて、「2」といっても収録されているのがそれぞれ違うらしい。今回見たのはポニーキャニオンが販売していたもので、第一話 撃てない兵隊 バート・ケネディ脚本監督製作 第二話 爆発一秒前 ロバート・アルトマン監督作品…

ヒッチコック劇場 3,4

第三集 酒蔵 1956年 バアン!もう死んだ 1961年第四集 女性専科第一家 中年夫婦のために 1960年 ぺラム氏の事件 1955年なんとも楽しいTVシリーズ。こっちのコンディションに関わらず楽しんでみられて、にやっとさせられるこのまとめかたのうまさ。「酒蔵」、…

東京タラレバ娘 3

巻を追うごとにおもしろくなっている気がする。東京が舞台のSATC。「主に泣いてます」*1と同じような事態が起きていても、あっちみたいに非現実に陥ることなく、リアルで好ましい。踏み込んでいておもしろい。東京タラレバ娘(3) (Kissコミックス)作者…

マキーナ

新しい才能に興奮する。アンドロイドと小学生たちの物語だけど、小学生たちの人物設定がしっかりしていておもしろい。強気の女子のリーダーなんてヒールっぽいキャラクターもとても魅力的に。(強い視線に猫に似たものを感じる。猫もたくさん出てくるので、…

お家賃ですけど

能町さんの書く仕事が軌道に載る前の、実家を出て牛込の一人暮らしをし始めた頃からの暮らしの話。住まいの描写の丁寧さ、そして贅沢でなくても古い建物をきれいに磨きながら維持している大家さんを描く愛情のこもった筆先などから能町さんの生きる姿勢が伝…

フットノート

wowow番組解説より 片や、世間的な評価には恵まれないまま、こつこつと地道に学問に励んできた父親と、他方は、華々しい受賞歴を持つ出世主義者の息子。ともに同じ学問分野の権威にしてライバルであり、微妙に険悪な対立ムードも漂う大学教授の親子2人の間に…

ねこの秘密

「わたしのノラネコ研究」*1の山根さんの新書。学際的なアプローチによるねこの話。読んでいてとても楽しい。 開催された北九州いのちのたび博物館でのまるごと猫展も、博物館的なアプローチのみならず、文化面からやまちの活動(長崎の町ねこ調査隊塾など)…

ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディー

小林信彦さんの「コラムの逆襲」を読み返していたら、少し前にみたビリー・ワイルダーの「ワン・ツー・スリー」*1で、しゃべりっぱなしの精力的な演技をみせていたジェームズ・ギャグニーのことが載っていて、この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞とあっ…

ケス

こちらの記事を拝見していて、「ザ・ロイヤル・テネンバウム」にも影響を与えている「ケス」とはどういう映画なのだろう?と思いみてみた。 イギリス映画らしい苦味。イラン映画の「友だちのうちはどこ?」級の先生の厳しさ。こちらの方はその振る舞いが尊敬…

ヒッチコック劇場 1,2

1巻 「生と死の間」1955年 「神よ許し給え」1961年2巻 「兇器」1958年 「亡霊の見える椅子」1959年懐かしいオープニングのとぼけた音楽とヒッチコックの横顔。みたビデオは字幕版だけど、日本のテレビでしていた熊倉一雄さんの吹き替えも懐かしくて・・ネ…

ジゼル・アラン 5

細かく描きこまれた絵。これをすすめてくれたひとは内田善美さんが好きだったけれど、なにか似通ったものを感じる。こっちの方が元気な感じだけれど。 「100分de名著」の「斜陽」の回をみていると、「斜陽」に出てくる母親が「生れついての優雅さ」という言…

風の歌が聴きたい

実在の聴覚障害を持つ夫婦をモデルにした物語。ビデオジャケットにも載っているのだけど、聴覚障害についてのみ語った映画でなくて、もっと普遍的。大林監督らしく家族の思いを細やかに、ユーモラスに描いていて、障害について描いているからという構えなし…

団地ともお 21

先日仕事場に小学生がやってきて、「『団地ともお』みたいな状況だな・・・」と思った。小学生の思慮の限界、大人とは違う振る舞いに驚かされるところをうまく作品にしているなとつくづく思う。 驚くような想像力で、飛躍したお話でも、「ともおならやるかも…

小豆島の東洋オリーブのレモンカード

小豆島の東洋オリーブのレモンカード なんともマイルドでおいしい。朝からうれしい気分。関心空間にも東洋オリーブのマヨネーズのことが載っている。

フレンジー

ビデオジャケットより、 「もうヒッチコックも限界だ」と囁かれだしたヒッチが、久方ぶりに母国ロンドンに帰り、「ヒッチコック復活」を世界中にアピールした、晩年の傑作 文句なしにおもしろい。ぱっと音を消したり、見せるところを区切る効果、はさみこま…

青幻記

沖永良部島の話。wikipedeiaによると、奄美群島ではあるけれど、沖縄本島と近い文化を持つという。三線が出てきたり、大和とは違う場所という雰囲気(意識、住まいや霊能者のユタ、洗骨という葬制)など、ほぼ沖縄という感じだった。 原泉、戸浦六宏、藤原釜…

パラダイスビュー

「ウンタマギルー」*1がすごくよくて、先駆けて作られたこちらも見る。同じ空気で大満足。「ウンタマギルー」でかっこいいキジムナーを演じていた宮里榮弘が、またまたかっこいい。武士の恰好をして、ある女の人と復縁したくってたまらない男性。宮里さんも…

銀の匙 13

もう三年生。それぞれが自分で工夫して自分の人生行路をひらこうとしている。チーズのことがしたくて、フランスまで留学にいった女の子の、(その留学は少しもとの思惑からははずれているものだったけれど。。)ピザの隠し味としてのブルーチーズの提案いい…

火花

こちらも文藝春秋9月号で。 はじめ少し読みづらかったのだけど、すぐ夢中になった。受賞者インタビューの中で又吉さんは 世の中には自分の中に新しい感覚をぶちこんでくるようなおもしろい本があるとわかってからは、ひたすら本を読むようになりましたね。 …

てっぽうをもったキジムナー

沖縄の木の精キジムナー。「ホテル・ハイビスカス」*1での登川誠仁さんの愛嬌たっぷりの姿も惹きつけられたが、先日観た「ウンタマギルー」*2での凛とした姿が忘れられない。下界の人間とは違うルールで生きている感じ。タイトルにその名前を見つけて図書館…

スクラップ・アンド・ビルド

文藝春秋9月号にて。 少し前に読んだ同じ作者の「ワタシクハ」*1の主人公と、重なるものを感じる。努力は怠らない。他人の観察が冷静。どこかしら漂うユーモア。 二十代で転職求職中の主人公と同居するディに通う祖父とのかかわりを描いているが、出てくる…

かごめかごめ

全篇フルカラーの静謐な世界。「繕い裁つ人」*1や「サウダーデ」*2のように自分の手を動かして暮らしていく美しさ、でもその均整を破るパッションを静かながら描く作品。舞台は修道院。「そして時はたち・・」という感じで、何年後かの様子がさりげなく描か…

ゴスフォード・パーク

公開当時、すごく自分のコンディションの悪い状態でみにいって居眠りしてしまい、いつかもう一度と思い続けてきた映画。当時、観に行かれ、ちゃんと味わわれたwindshipさんが、掲示板で書かれていることを読み返し頷いていたのだけど、パンフレットを詳しく…

乙嫁語り 7

この巻は今までの流れからちょっと離れてペルシア。姉妹妻という風習の話。なんだか今回扇情的な画が多かったような・・乙嫁語り 7巻 (ビームコミックス)作者: 森薫出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2015/02/14メディア: コミックこの商品…

三谷幸喜のありふれた生活13 仕事の虫

この朝日新聞のコラムの中で特にいいなと思う話題が、名優、名作の紹介。今回のメモ ウィリアム・ワイラー「必死の逃亡者」 みてからまた読もう・・ジェームズ・ガーナ― 「大脱走」の「調達屋」。三谷さんの「大脱走」でのもう一人のお気に入りは、砂の処理…

くるねこ 5

やっぱり年長の美輪のもんさんがいい。その次好きなのは、江戸の火消し職人のようなカラスぼん。くるねこ 5作者: くるねこ大和出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2010/02/15メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 12回この商品を含む…

わたしのノラネコ研究

著者は九大理学研究科の生態学研究室というところで、福岡県新宮町相島というところのノラネコの調査をしたひと。一応児童書の分類で、こどもたちがノラネコの研究をしようとしたときにどうすればよいかノウハウが書かれている。大人が読んでも十分楽しいし…

市民ケーン

なにかマストアイテムというのを片付けたくてしょうがなかった今日。「市民ケーン」をやっとこさ観た。スヌーピーとチャーリー・ブラウンのピーナッツ・ブックスにまで登場する「バラのつぼみ」というキーワードが気になり続けて幾星霜、やっとこういうこと…

団地ともお 20

わたしの好きな吉田君(大食いやゲームの活躍が多い・・)にまつわる「最高のトレーナーは誰だともお」、ひとのこころに住む天使と悪魔、ポジティブとネガティブをテーマにした「バランスは大事だなともお」が好き。団地ともお (20) (ビッグコミックス)作者:…