スクラップ・アンド・ビルド

文藝春秋9月号にて。
少し前に読んだ同じ作者の「ワタシクハ」*1の主人公と、重なるものを感じる。努力は怠らない。他人の観察が冷静。どこかしら漂うユーモア。
二十代で転職求職中の主人公と同居するディに通う祖父とのかかわりを描いているが、出てくる祖父が長崎出身という事で、自分と同じ境遇なものでもうもう祖父に肩入れして、主人公の失礼な言動に我慢しながら読み進めたりしたのだけど、わたしのようなものがそんな気持ちになるのは当然計算されていて、あくまでも若者の心の中のつぶやきで遠慮なく視野の狭さなど関係なしに話が進むゆえに真実味や挙句はっと胸につかれる感じも味わえた。ちょっとこの感覚、先日放映された「団地ともお」の戦後70年スペシャルにも似ている感じ。
羽田さんの作品これからも読んでいこうかなと思っている。


スクラップ・アンド・ビルド

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