2018-01-01から1年間の記事一覧

フランク・キャプラ 第二次世界大戦 1,2

フランク・キャプラが戦時中在籍していたアメリカ陸軍情報部に依頼され、製作したドキュメンタリーシリーズ。だから当たり前だが日本側の事情、葛藤などは割愛、とにかく起こったことを、みている人がこの連中とは戦わなければならないという気持ちを起こさ…

犬ヶ島

www.foxmovies-jp.com ああ楽しかった。太鼓や、「七人の侍」のテーマや、演歌風のメロディーなど、日本風の音楽や景色がウェス・アンダーソンの手にかかったらこんな風になるんだ。そして、いつものテーマ、父的なものからの独立!少年のきりりと、でもはか…

怪塔伝

毛利菊枝と進藤英太郎がカルト集団めいたもののトップにいるのだけど、毛利さんが、魔女めいた雰囲気で不吉な予言を告げに来るところの不気味なこと不気味なこと。ここらへんは西洋の物語のようでもある。 秘密の隠された大事な品物を巡っての争い、よく歌舞…

月山

少し幻想文学めいた空気も漂う映画。 都会の生活に疲れた大学生が月山の麓の、かっては門前町としても栄えたことのある寒村の寺で一冬を過ごす。芳名録を張り合わせて作った蚊帳のような紙製の風よけの中でたたずんでいる姿や、凍り付いた外の景色、鳥追い、…

新佐渡情話

www.nikkatsu.com ビデオジャケットには 「寿々木米松の名調子に乗って描く最もポピュラーな浪曲映画の決定版」とある。 昭和10年の映画でとてもクラシックなんだけど、寿々木米松の浪曲が本当にかっこよくすんなりくる。(新のついてない「佐渡情話」の方…

たそがれ酒場

先日「東京映画地図」という本を購入した。 東京映画地図 (キネマ旬報ムック) 作者: 宮崎祐治 出版社/メーカー: キネマ旬報社 発売日: 2016/07/28 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 映画をみるとロケ地はどこだといつも気になる自分にぴったりの…

淵に立つ

最近気になっている深田晃司監督が69回カンヌ映画祭で「ある視点」部門審査員賞を受賞した作品。 fuchi-movie.com 以前みた深田監督の2011年の「歓待」*1はこの作品の構想から派生したと書かれていたが、家族の中にそとからの人が入ってくることによっ…

聲の形

先日Eテレで、24時間テレビの裏番組として放映され評判になっていたアニメーション。小学校時代に聴覚障害のある転校生の女子をいじめていた男子とその周辺を描いている。大垣市が舞台で、美しい川の流れがたびたび出てくるさわやかで美しい映像なのだけど、…

鉄砲犬

犬シリーズの田宮さん、調子よくてとても後味がよい。「ほな、サイナラ」っていう決めゼリフのキザすぎない感じが絶妙。関西弁効果もありか?関西人のかっこよくなりすぎることを恐れる気質、いいなあ!またまた天地茂のショボクレ刑事も魅力的。決して浮つ…

小判鮫 お役者仁義

先日衣笠貞之助監督版で「小判鮫」*1をみたが、そのときは、長谷川一夫が女形と義賊の二役だったが、こちらは美空ひばりが舞台女優(娘道成寺っぽいものも踊っているところが出てくる)と軽業師(くずれ?の)女賊役。この軽業師の役は衣笠版の山田五十鈴が…

鳥人

先日から大注目の丸根賛太郎監督作品。 またまた愛すべき作品であった。 大空を鳥のように飛びたいと研究に研究を重ね、狂人呼ばわりされ実在の人物、鳥人 浮田幸吉をアラカンさんが演じている。丸根監督ははじめはあいつなんだ?ってところからはじまる男の…

立川志の輔独演会

京都造形芸術大学の春秋座にて 三番叟 松永鉄九郎 悋気の独楽 志のぼん 買い物ぶぎ 志の輔 大河への道~伊能忠敬物語~ 志の輔 志の輔さんはテレビで親しんでいるけれど、あの調子で(というか、生の高座の方がずっと遠慮なく自分を出されている感じで)話芸…

お染久松 そよ風日傘

美空ひばりがお嬢様お染と久松と一緒に育って許嫁となっているおみつの二人を演じる。ひばりの姿は庶民的なおみつのほうがしっくりくる感じ。 舞台の豪華さと実写をうまくとりまぜた映画。最初、華やかに舞台で幕開けそして、最後、別れ別れで帰っていくとこ…

エンタツ・アチャコの新婚お化け屋敷

宮沢章夫さんのカルチャー論を録画していたものをみていたら、「書を捨てよ、町に出よう」から糸井重里の「本読む馬鹿が、私は好きよ」へ移行する、肉体中心から頭脳への時代の流れという中で、チャップリンなどが源流のからだの動きによる笑いとは違うタモ…

大家さんと僕

昭和一桁生まれの大家さんと矢部太郎氏の交流。はじめのころの、大家さんが大事に思っている常識が若いものにとっては「へえそうなのか」という感覚、これは私が大正生まれの父と暮らして常に心に浮かぶ感情で、身近なスタートとなった。 なんといっても大家…

サウダーヂ

オフィシャルページ 2011年 冨田克也監督作品。シャッター商店街が増えた甲府で生きる人々をリアリティあふれる空気で描く。高い評価を受けているのがよくわかる、見せかたのうまさ、描き方の腑に落ちる感じ。ブラジル移民であふれる街で、映画「シティ・オ…

水無瀬・大山崎〜映画「家路」

先日大阪で若い知人に会った時、水無瀬の長谷川書店というところに行きたがっていた。時間の都合で回れなかったのだけど、中村佳穂さんという方のCDが欲しかったからだったそうだった。教えてもらったyou tubeが力強くて透き通っていてとても良く、また偶然…

Relish

うれしい食卓―小さな町の料理教室 Relishのごはんレシピ作者: 森かおる出版社/メーカー: アノニマ・スタジオ発売日: 2008/11/13メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る以前確か新聞に紹介されていて、この本を買っていくつか定…

フェイクと憎悪

トランプ政権の樹立以降だろうか、為政者にとって都合の悪い話はフェイクニュースといわれてしまうような、また多くの人々が裏ドリを一応ちゃんとした既成の報道でなく、ネットをたよってしまうような昨今、どのように現状をよい方向に持っていったらいいか…

弥次喜多道中

雷蔵の弥次さん、なかなかいい。雷蔵、軽いお芝居の時、いいなと思う事多いように思う。 「太陽族」「処刑の部屋」「アプレ」「ラジウム」など制作当時の言葉がたくさん入る軽妙な時代劇コメディー。すごくテンポがよかった。アチャコの「軍隊でたとえれば」…

殴られたお殿様

Movie Walker丸根賛太郎監督ほんとにいい!好きだ。 食い詰めた旅役者の二人が、給料代わりに渡された金持ちの爺様風の衣装(水戸黄門風)を着用して宿屋に泊まっては夜中に逃げ出すという旅を続けていたが、ある城下で夕立金左衛門という男と出会う。ひょん…

大江戸五人男

昭和26年伊藤大輔監督。「松竹三十周年記念映画とのことで、阪東妻三郎、市川右太衛門、高峰三枝子、山田五十鈴をはじめとして、映画、演劇、歌劇各界のスターを総動員」とビデオジャケットにあるが、豪華な面々。話も、「播州皿屋敷」と「幡随院長兵衛」…

サイレン

紹介ページ 津川雅彦氏最後の短編主演作とのこと。津川さん、近年のイメージ的にもこの作品にぴったり。そしてここで描かれていること、移民問題とか超えて実は日常たくさん起こっているなと痛感する。

セトウツミ

コミックの雰囲気を壊していない。菅田将暉の演じるセトの自然で面白いこと。きれいにまとまっていて楽しめたけれど原作*1を読んでからなのであっという間に終わったイメージビデオかなんかみたいにみえなくもなかった。セトウツミ [DVD]出版社/メーカー: Ha…

恋は緑の風の中

Movie Walker日本映画専門チャンネルにて1974年家城巳代治監督作品。70年代の中学生の様子、風景が身近すぎて熱心に見入る。例えば、八百屋に並ぶサンキストオレンジのロゴ、部屋に置いてある花柄の魔法瓶、中学生たちが一生懸命作る部屋の当時っぽいかわい…

ごろつき犬

1965年作品。 天知茂さんの追悼だったかで天知さんの思い出としてこの犬シリーズの「ショボクレ刑事」を挙げる人がいたが、ほんと素晴らしい!今でたとえたら松田龍平のような、クールな美男がオーラを消してしょぼくれている感じが最高!彼なくしてこの作品…

雪花の虎 5

彼岸花背景の表紙絵も良い。大人の女性としての景虎。勢いがあって楽しめる。歴史知識ない人間の気持ちを引っ張る力、大!雪花の虎 5 (ビッグコミックススペシャル)作者: 東村アキコ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/11/10メディア: コミックこの商品を…

小判鮫

映画comwikipediaの衣笠監督のところにはこの作品についてこのように載っているが、*1 1946年(昭和21年)、明治開化期の鉄道建設を巡る利権争いを、東宝オールスターで描いた喜劇映画『或る夜の殿様』が戦後第1作となり、翌1947年(昭和22年)に島村抱月と…

博多どんたく

博多八丁兵衛という九州博多の奇人を阪東妻三郎が演じている。昭和23年丸根賛太郎監督作品。 総じて笑いのテンポなどは今と少し違っていたけれど、それがのんびりした空気を出してはいる。 八丁兵衛については八丁兵衛の営んでいた西濱屋のサイトに詳しく載…

柳川掘割物語

北原白秋や旅の特集にあるような柳川の美しさを謳った作品かと思いきや、柳川の美しさも伝えつつ、もっともっと見るものの生き方に迫る骨太な物語であった。柳川の掘割が一時汚れてしまっている話はきいたことがある。そして、それをコンクリートで埋め下水…