大家さんと僕

昭和一桁生まれの大家さんと矢部太郎氏の交流。はじめのころの、大家さんが大事に思っている常識が若いものにとっては「へえそうなのか」という感覚、これは私が大正生まれの父と暮らして常に心に浮かぶ感情で、身近なスタートとなった。
なんといっても大家さんのユーモアがべたべたしてなくてなんだかドライでいい。そこをうまく拾って伝える矢部氏も良い。結構軽めの芸能人仲間と大家さんのやりとりなども、自分とは違う存在への眩しさみたいなのもあいまって楽しめた。
大家さんが行きたかった知覧はやはり大正生まれの伯母が身近なひとのことを思って特別の思いで訪れたときいており、そこにも親近感をおぼえた。でもシリアスになって読みづらくなるわけでは決してなく、あたたかいけれど笑える感じにまとめてあるこの頃合いがいい。
絵柄もよい感じ。

大家さんと僕

大家さんと僕