2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

暴力脱獄

ピーター・バラカンのFM番組を聴いていたら伊集院光のゲストの回で「暴力脱獄」の話が出ていた。伊集院光が観たことのない映画をゲストに紹介してもらい、観る前、観た後にトークをする番組があったそうでそこでバラカン氏が紹介したのがこの作品だったとの…

わが町

わが町 辰巳柳太郎 Amazon 織田作之助原作。川島雄三監督。1956年。大阪の風景がふんだんに出てくる。 冒頭フィリピンで道路建設に携わり帰ってきた主人公役辰巳柳太郎のコテコテで活力に溢れすぎた雰囲気に完走できるか不安を抱いたが、明治から昭和の戦後…

余命一年、男をかう

吉川トリコさん、ライムスター宇多丸の番組で女子アナウンサーと女芸人が主人公の「夢で逢えたら」が奨められていて読んでみたのが出会い。 夢で逢えたら (文春文庫) 作者:吉川 トリコ 文藝春秋 Amazon 女子アナウンサーや女芸人に読者や小説の中の人々が勝…

魔界転生

魔界転生(1981年) 沢田研二 Amazon 熱心なファンの多いこの作品いつか観てみようと思っていた。オーソドックスなモノクロ時代劇に慣れていると、いかにも80年代風のチープにもみえる空気にびっくりもしたけれど、出演者の気迫は本物だ。特に若山富三郎…

「サムライ」と「ピアニスト」

フランス映画を二本。 「サムライ」(1967 ジャン・ピエール・メルヴィル監督)と「ピアニスト」(2001 ミヒャエル・ハネケ監督) 「サムライ」 ふや町映画タウンのおすすめでもあり、いつか観るつもりだったのだけど、先日youtubeでよく楽しんでい…

清水次郎長、丹下左膳余話 百万両の壺

山中貞雄脚色の「戦国群盗伝」*1にハマって以来、山中監督とゆかりのある作品を数珠つなぎ式に観ている。 先日観たのは山中貞雄門下といわれている萩原遼監督の「清水次郎長」。 www.allcinema.net 若き日の次郎長を描いたもので、ちょうど先日ふれたところ…

修道女ルナの告白

修道女ルナの告白 76年 小沼勝監督。子どもの頃ドリフターズの番組で親しんでいたゴールデン・ハーフのルナが、ロマンポルノに出演、しかも、修道女役ということで公開当時新聞などの小さな広告や映画館前の看板でこの作品のことをみかけるとなんともいえな…

無法一代

無法一代 三橋達也 Amazon 京都、伏見の中書島遊郭が舞台ということで観てみた。「戦国群盗伝」が面白くて「六人の暗殺者」「国定忠治」と観続けている*1滝沢英輔監督作品。メリハリがあって観やすいつくり。 三橋達也と新珠三千代の二人が縁故(宇野重吉)…

平家物語 犬王の巻

平家物語 犬王の巻 (河出文庫) 作者:古川日出男 河出書房新社 Amazon 5月に観に行った映画「犬王」*1の原作。原作を奨める言葉が語られもしていたので読んでみた。これを読むと映画で音楽が70年代ロック風だったのを残念がる声がちょっとわかる気もした。「…

大日向村

www.allcinema.net 「戦国群雄伝」*1で前進座の人たちの作品をもっと観たくなり前進座にとって初めての現代劇というこちらを。満州への移住で有名な大日向村、この映画は昭和15年に作られ国策色がとても濃い。今みると「キューポラのある街」で最後北朝鮮に…

リコリス・ピザと祇園祭 曳き初め

「リコリス・ピザ」を観に行った。 www.licorice-pizza.jp 評判通り楽しい作品。観に行ってよかった。フィリップ・シーモア・ホフマンの息子、クーパー・ホフマンがもう父にそっくりで可愛くて可愛くて父の死を悲しんでいた自分には一粒の種が地に落ちて花を…

牢獄の花嫁

東京のラピュタ阿佐ヶ谷というユニークな映画特集をよく耳にする名画座でバンツマ×田村高廣映画祭をしていて、観に行かれた方がtwitterに感想を書いておられたので私も鑑賞。 www.laputa-jp.com 荒井良平監督は「水戸黄門」*1がとても面白く「戦国群盗伝」*2…

夏の夜は三たび微笑む

夏の明け方が大好きで、早寝早起きしている。ベルイマンのこの作品、珍しくコメディタッチときいていたもので敷居が低く季節を味わおうと観てみた。劇中も夏の明け方のことが出てくる。本当に恵みとしかいいようのない素晴らしい時間。きっちりしたなりのプ…

「戦国群盗伝」「国定忠治」「六人の暗殺者」

スキっとした物語が観たくなりなんとなく手に取った「戦国群盗伝」(s12)、山中貞雄の脚色が素晴らしく本当に面白い。中村翫右衛門の豪胆だけど調子のいいところもあり、不思議な魅力のあるキャラクターが上品な河原崎長十郎と出会うことによって生まれ…

新選組映画

池田屋事件がちょうど祇園祭の時に起きているもので、七月には新選組映画を観たくなる。 昭和14年 萩原遼監督の「その前夜」は、池田屋事件前後の京都をすぐそばに住む友禅染めの一家を軸に描いたものだが、さすが山中貞雄原案。秀逸なものだった。山田五…

「男の愛」、「若き日の次郎長 東海の顔役」

男の愛 たびだちの詩 作者:町田 康 左右社 Amazon 町田康の次郎長伝「男の愛 たびだちの詩」を読む。次郎長の養子であった禅僧・天田愚庵による名作『東海遊侠伝』をベースに現代によみがえらせた作品。 町田康の本を読んだあと、次郎長が侠客になるところと…