熱心なファンの多いこの作品いつか観てみようと思っていた。オーソドックスなモノクロ時代劇に慣れていると、いかにも80年代風のチープにもみえる空気にびっくりもしたけれど、出演者の気迫は本物だ。特に若山富三郎の迫力。出てくるなり只者ではない気配。真田広之はまだまだ若くてフレッシュな魅力。
原作山田風太郎。天草四郎が核になり、細川ガラシャなど時の犠牲になった人たちを妖術で生き返らせ、幕府に仕返しをするという構成はとても面白い。
生き返った登場人物たちはこの世のものでない様相が加味され宮本武蔵に扮する緒形拳なんかもえらい特殊メイクなんだがそんなこと気にするのも失礼な位の気迫ある立ち回りを巌流島も思い出すような海岸で。最近観ている新国劇の流れ*1を汲んでおられるのだなあと感慨に浸りつつの鑑賞。
柳生十兵衛に扮する千葉真一が妖しのものと対決する刀を誂えに刀鍛冶のもとを訪れるシーンがあるが、この後作られるタランティーノ監督の「キル・ビル」*2で刀鍛冶の役を振られていたなあとつながりを感じたりも。