修道女ルナの告白

修道女ルナの告白

76年 小沼勝監督。子どもの頃ドリフターズの番組で親しんでいたゴールデン・ハーフのルナが、ロマンポルノに出演、しかも、修道女役ということで公開当時新聞などの小さな広告や映画館前の看板でこの作品のことをみかけるとなんともいえない背徳的な気分がしていたものだった。

そこから幾星霜、今回はじめてどんなものか見聞。宮下順子さんや谷ナオミさんなどのしっとりした演技に親しんでいると、ん?情緒は二の次?なんだかすべてにあっけらかんとしているなという感想を持ってしまう。修道院の中の出来事などもかなり即物的、そんなことあるかいというようなストーリー展開だけどビッチな腹違いの姉さんが裏「黒い十人の女」的で荒唐無稽な制裁を受けたりニヤニヤしながら気楽にみられる代物だった。

76年当時の渋谷南口、原宿パレ・フランスやキディランドの風景などが封じ込められているのは楽しい。どこかのデパートの「オスカルのクリスマス」なる「ベルサイユのばら」の絵を使った宣伝なんかも。「花芯の刺青 熟れた壷」*1で歌舞伎界の御曹司がえらくハマっていた中丸信さんもちゃらんぽらんな役で活躍。(中丸さんは劇団四季出身らしい。現在の芸名は中丸新将。)

ラストへの展開はシャープでなかなか面白くニヤッとさせられた。