2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

選挙2

「選挙」*1で、自民党の落下傘候補になって右も左もわからないまま、自民党のマニュアル通りの戦い方をして当選した山内さんのその後を描いたもの。この「選挙2」は、3.11の直後、原発を推進してきた自民党が許せなくなり、無所属で、しかも街頭演説は選挙…

ヴァーサス/ケン・ローチ映画と人生

是枝監督のカンヌの受賞後の騒ぎなどを思わせるようなところもあり、大好きな映画「ケス」*1製作秘話も。 ケン・ローチと初期の仲間はミロス・フォアマンの映画の、人物の自然な表情を撮るところにとても惹かれたという。(「ブロンドの恋」の場面が出てきて…

春の消息、魂の秘境から

春の消息作者: 柳美里,佐藤弘夫,宍戸清孝出版社/メーカー: 第三文明社発売日: 2017/11/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る柳美里氏と佐藤弘夫氏が死者と生者のまじわりの場所を訪ね歩いたもの。写真 宍戸清孝氏。 いわゆる「死んだ子の年…

ニッポン・サポート・センター

平田オリザの劇団、青年団の舞台を深田晃司監督が撮ったもの。日本映画専門チャンネルの「いま。映画作家達は。」 という特集で録画したものを視聴。深田晃司監督、先日はじめてみた「ほとりの朔子」*1、ほんとに惹きつけられ、以来気になって。「ほとりの朔…

最後の講義 「大林宣彦」

TV

NHKドキュメンタリーで。とりあえずのメモ。自分が若々しい感覚の作品を作れるのは、旧い映画をたくさんみてきたからとおっしゃっていた大林監督。CS衛星劇場で「いつか見た映画館」という映画史を追いながら映画を紹介する番組をされており、本も上梓された…

赤い影

町山智浩氏のポッドキャストを以前にきいて気になっていた作品。けれど、そこばっかり注目すべき映画では決してない。ドナルド・サザーランドが赤いレインコートを着た娘を喪う、クラシックな建物の修復をしている建築家の父親役。その妻をジュリー・クリス…

日曜日は別れの時

twitterでdvd化を待っている方の書き込みを読んで借りてみた。ビデオジャケットより 40歳になるユダヤ人の開業医、ダニエルは若い芸術家ボブと同性愛の生活を送っている。が、ボブには年上の女性アレックスという恋人もいた。アレックスもダニエルもお…

メイク・アップ

昭和58年度文芸賞受賞作である若一光司氏の小説「夜に夜を重ねて」の映画化。テレビのコメンテーターとして認識している若一氏、こういう作品を書いておられたのだという感慨あり。 「櫻の園」や「十二人の優しい日本人」の中原俊監督。 烏丸せつ子演じる…

四畳半襖の裏張り しのび肌

1974年神代辰巳監督作品 直前にみた同じく神代監督の「櫛の火」が観終えるのに努力がいる作品だったので、緊張しながら観始めたがこれは本当にテンポのよいおもしろい作品だった。 早熟な少年正太郎を主人公に据えた、ドライでいて訴えるものがあるこの塩梅…

櫛の火

昭和50年(1975)神代辰巳監督作品。古井由吉原作。以前「杳子」を読んでこちらが若かったのもあって、水性なんだけど澱むような作品だなと思っていたのだけど、映画の「櫛の火」も、なるほど、あの古井氏の作品、という気持ちを持った。桃井かおりが病で死…

(500)日のサマー

みているとき、なんだかドラマで観た「逃げ恥」的な新しいものを感じた。恋愛を素材にしているけれど語っていることは恋愛に限らないような、でもやはり恋愛だからこそはっきり感じられるうまくいかない苦しさとそこからどうするかの物語。「逃げ恥」的なも…

きのう、きょう、あした

映画「人生フルーツ」*1の後日談。ひとりになられた時の気持ちわかる気がする。そこからの、一歩一歩。 英子さんの魅力的な笑顔を切り貼りした本の構成が愛らしい。 「人生フルーツ」で気になっていたしゅういちさん最後の仕事「まちさな」のことも詳しく載…

真実の瞬間

ストイックなドキュメンタリータッチと乾いた詩情、美しい情景と現実がうまく溶け合ってよい作品を観たなあという充実感。お金のために闘牛士になる、アンダルシア地方出身の青年ミゲルを描いているのだけど、闘牛士の美しい衣裳は相撲の化粧まわしのようで…

魔術師

1958年 イングマール・ベルイマン監督作品。all cinema 古典的な風格、重厚さ、そしてビデオジャケットにも書いてあるが、独自の映像美を持ちながら、話の展開も魅力的で、どんどん惹きつけられるし、その終着点まで楽しめた。ベルイマン、もっと観たい。魔…

ジョン・キャンディーの大進撃

マイケル・ムーアの劇映画(1995)。失業率の低下に伴う支持率の低下に悩むアメリカ大統領の思いついた策は、冷戦時代に戻って軍需景気を呼び戻すこと。ブラックコメディの体裁だけど結構リアルな部分も大ありだし、アメリカとカナダの比較などその後の…

サチコの幸

上村一夫原作 武田一成監督。昭和51年作品。 舞台は昭和26年頃の新宿二丁目 上村一夫の絵もとりいれられ、四畳半フォーク的な空気も濃厚。浅香光代がサチコたちの住んでいるところの女将に扮しているが、猿を飼っていたり独特の空気をまとっている。 鈴木…

故郷

これも「権左と助十」*1と同じく伊丹万作作品。夏川静江演じる喜多子は、信州の実家の大いなる犠牲のもとに東京の女子大を卒業、実家に戻るが、身についてしまった都会風が邪魔をし、実家の生活になじめない・・実家は実家で釈然としない思いになる・・この…

権左と助十

こちらも「修善寺物語」*1と同じ岡本綺堂原作。大岡政談を下敷きにした駕籠かき二人がタイトルになった物語。歌舞伎になったり*2、何度も映画化されている*3らしい。まずは店賃回収に苦労する大家さんの話から店子の面々の様子が知れる。ユーモラスでテンポ…

修善寺物語

歌舞伎の演目になっているなあということで、みてみた。なんとなくテイストが「恋や恋なすな恋」*1に似ている。(人間の情念とかも交えつつの見やすい歴史素材もの。カラーの雰囲気も少し似通ったものを感じた。) 二代将軍源頼家の悲劇の物語。それを六代目…

彼らが本気で編むときは、

荻上直子監督、「かもめ食堂」の時より具体的に表現している感じ。生田斗真演じるトランスジェンダーのリンコさんの仕事は介護士。介護の現場で、その美しさをみているひとがいるという表現が形をかえて出てくるけれどそこもよかった。 この映画で一番強烈に…

ちはやふる 上の句、下の句

映画版が評判良いのは知っていたのだけど、原作*1を先に読んでいたからお手並み拝見的な気持ちでのスタート。はじめ、よく学園ものにある感じで千早が妙に元気すぎる感じで、原作はほんとゆっくり順を追っての説明だったから、少しペースについていけなかっ…