修善寺物語

歌舞伎の演目になっているなあということで、みてみた。なんとなくテイストが「恋や恋なすな恋」*1に似ている。(人間の情念とかも交えつつの見やすい歴史素材もの。カラーの雰囲気も少し似通ったものを感じた。)
二代将軍源頼家の悲劇の物語。それを六代目坂東簑助演じる夜叉王という面の彫り師を通して描いていく。
三者三様の若き女性の姿が対比して描かれているが、淡島千景が、出世欲のかたまりの桂という女性。徹底した演じ方で楽しめる。桂とは対照的な可憐な妹役が岸恵子。気品とはかなさを漂わせた頼家の亡き妻に草笛光子。この両人も勝手な自分のイメージを超えて、すんなりと役に溶け込んでおられ、新鮮。
黛敏郎の音楽が悲劇性を際立たせ、みるものを惹きつける。
タイトルロールに出てくる面からして本物の迫力がとてもあるのだが、撮影協力のところに、舞楽面として春日大社蔵とあった。
また流鏑馬シーンも本格的であったが、やはり武田流金子有隣というお名前がクレジットされていた。

Movie Walker