故郷

これも「権左と助十」*1と同じく伊丹万作作品。夏川静江演じる喜多子は、信州の実家の大いなる犠牲のもとに東京の女子大を卒業、実家に戻るが、身についてしまった都会風が邪魔をし、実家の生活になじめない・・実家は実家で釈然としない思いになる・・この空気、すごくリアルに伝わる。
修善寺物語」*2で一徹な面職人、夜叉王を演じた六代目坂東簑助が、喜多子の兄。思いがよくわかる存在感。

まずは夏川静江の弟の、家業のお手伝いのシーンからはじまり、この小学生の描写が細やか。脚本を作られた「手をつなぐ子等」などでもこどもの表現がナチュラルでしっかりしている伊丹監督らしさを感じた。

信州の高い山、またスキーの大会などの風景に惹かれる。
こちらのブログを拝見していると、丸山定夫氏は教師とその父親の二役をこなしておられたということ。