公開当時皆すごく褒めていた印象があるが、既にモリコーネの音楽をそれと意識して愛してきた人たちには一緒にモリコーネ讃!という感じかもだが、モリコーネ作曲ってどんな音楽だっけ?くらいの自分にはラスト近く延々と続く各界のモリコーネを褒め称える細切れシーンが長く感じられた。もう少しカットしてもいいのでは?
「ラウンド・ミッドナイト」とモリコーネの「ミッション」がアカデミーの作曲賞を競って、「ラウンド・ミッドナイト」のハービー・ハンコックに賞がいった話、「ラウンド〜」はジャズのスタンダードナンバー使ってオリジナルじゃないのにという批判、でも「ラウンド〜」良かったもんなーなんて思いながらみていた。そのあとインタビューでモリコーネを絶賛してるハーピー・ハンコックの映像もはさまれ、なんだかハーピー・ハンコクックに気を使わせるような流れ?
長らく無冠だったモリコーネ、特別功労賞をもらってから受賞があったようだが、無冠ってそんなにわだかまるものなんだ。映画音楽がちょっと色ものと思われる時代を生きてこられたクラシック出身のモリコーネだからこそということはあるのかな。
「続・夕陽のガンマン」のイメージで
同じようなのを要求されるのが度重なり御本人はほんとにイヤだったみたいだが、タランティーノもまたそういう方向で依頼したのも気持ちがわかる。タランティーノの作品世界にあうもの。結局モリコーネの考える音楽でアカデミーの音楽賞を受賞したわけだが。
「1900年」*1や「ニュー・シネマ・パラダイス」のシーンは気持ちが盛り上がった。あの音楽あってこその作品、ということに異論はない。そして、モリコーネの証言によるとセルジオ・レオーネ監督のせいで逃してしまった「時計仕掛けのオレンジ」、確かにモリコーネが音楽つければ確かに違ったものになっただろうな。
監督が既にある別の映画から持ってきた音楽をつけて満足しているのを没にしてモリコーネが新たに音楽をつけた「殺人捜査」、両方の音をつけた映像が流れたが後者で同じ映像が多層で面白い色彩を放ち、モリコーネの言ってることは最もだと説得された。