80年代というと、一般的にはまず軽いイメージがつきまとうのだけど、80年代の大河ものや、時代考証ものの映画には金銭的に煮詰まっていない時代のせいかしっかり作られているという印象を持っている。
この作品も私の考えているその法則通り、場面場面がとても豪華で本格的。84年の英国アカデミー賞の美術賞・衣装デザイン賞を受賞しているのもうなずける。
淀川さんとおすぎさんの「おしゃべりな映画館」で、おすぎさんが椿姫の歌曲だけ知っていてどの場面で唱われるかわからない人にはよくわかっていいというようなことをおっしゃっていたけれど、自分にとってこの映画はほんとそういう良さがあった。ストーリーはクラシックな悲劇という感じで入り込む、という感じではないけれど、(アルフレードの父の残酷なくせにいい人ぶるところがどうも癪にさわって。。)ヴィオレッタが久しぶりに社交界に行くシーンで会場で披露されるジプシー風の踊りなど演出も楽しく、音楽と映像を味わえる作品だった。
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1999/04/01
- メディア: VHS
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