ハンガリアン狂詩曲

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説明的な部分が少なく、絵巻、一大叙事詩のような感じで農村で力のある、ある一家とその長男の物語を描いている。
解説を読んでやっとわかった部分もあったが、みていて決して苦痛ではない。美しいロングで撮った映像と音楽で構成された絵織物のような作品で、人間が大きな歴史の中に翻弄されつつもなんとか立とうとしているような気品が感じられ心の中で熟成される思い。

ビデオジャケットにおすぎさんの

 「ハンガリアン狂詩曲」は、てっきり、あのリストの音楽がいたるところに散りばめられているものとの先入感があって、観たわけです。
 ところが映画が始まった途端、これが裏切られるわけ。そりゃあ、そうだ。監督が「密告の砦」のヤンチョー・ミクローシュだもの、そんなミュージカル仕立てのヤワなものを撮るわけがないのに気づくのです。

という文章が載っている。「密告の砦」の方は、未見だけど、私もリストの「ハンガリアン狂詩曲」が好きで、あの音楽がちりばめられたような映画を期待していて、そうではなかったのだけど、それで残念などということなく、完璧に理解できたわけではないけれど、いいものをみせてもらったという気持ちで大いに満たされた。