1900年

上下各巻で2時間半ずつくらいあるが、物語にぐいとひきこまれ、長く感じない。1900年の同じ日に生まれた地主の子供と、小作人の子供を軸に近代イタリアの歴史を描く大河ものなのだが、実に生き生きしていて、歴史ものをみて時々起きる退屈さ(昔のこと感)は全くない。ロバート・デ・ニーロは、「ミーン・ストリート」時代のようにとっても細くて、あっちのイメージでちょっとしたワルか、と思いきや、挙止動作すべてお坊ちゃまになりきっていたし、ジェラール・ドパルデューは、普段気の弱い役とかをよくみるのだが、この映画では、なかなかどうしてたくましくて・・それぞれに対して普段自分がもっているイメージと反対の役を演じているところがまたよかった。ベルナルド・ベルトルッチ監督の持っている、基本静かに丁寧に描いて、その中にぞくっとする感じを出すあの世界、ドミニク・サンダドナルド・サザーランドの自分で自分を持て余すようなアンバランスな姿など、本当にたまらなくてうっとりしてしまう。当時のほかの映画にも感じた、時代ものを今生きているものの感覚とかけ離れたものじゃなく、しかも、しっかりと骨太に描く空気が流れていてとても懐かしいし、音楽もあいまって大好きな映画になった。

1900年(1.運命の出会い/2.宿命の対決) [VHS]

1900年(1.運命の出会い/2.宿命の対決) [VHS]

  • 発売日: 1994/03/25
  • メディア: VHS