2014-01-01から1年間の記事一覧

八重桐廓噺〜嫗山姥

2004年歌舞伎座。 衛星劇場にて。番組情報はこちら。 福助さんが八重桐という主人公。最近(になってようやく)福助さんの映像を目にすることが多いのだけど福助さんの女形の、ちょっと仇っぽい感じ楽しい。 もともとは沢瀉姫を演じた七之助さんが目当て…

あしたから出版社

夏葉社という出版社のことを私は知らなかったのだけど、 夏葉社は1万人、10万人の読者のためにではなく、 具体的なひとりの読者のために、本を作っていきたいと考えています。 マーケティングとかではなく。 まだ見ぬ読者とかでもなく。 いま生活をしてい…

団地ともお 10,11

10巻では第15話「心はすけてみえないねともお」が大好き。根性のあるネコの物語。常識をやすやすと乗り越える気持ちよさ。あおとさんと霊たちとのやりとりもすがすがしい。ごく当たり前に接しているあおとさんがかっこいい。 11巻では第12話「駄菓子折で礼…

数寄です! 壱

山下和美さん初のエッセイコミックとのこと。私も年々「和」の良さに開眼しつつあるところだけど、山下さんもひとつの出会いから数寄屋建築を都内に建ててみようという気になってその準備をはじめる。今は住んでいたマンションでのトラブル話、また土地購入…

11月文楽公演

第一部が双蝶々曲輪日記、第二部が奥州安達原桐竹勘十郎さんも関わっておられる「文楽へようこそ」*1という本に載っていた勘十郎さんの好きな役というのが、結構アクの強いような役だった印象があるので、今回演じられたこの安達原の鬼婆、かなり楽しんで演…

気まぐれ天使

こちらもふや町映画タウンの「かなりおすすめ」。 47年製作。いかにも古き良き時代のアメリカのクリスマスの物語。ケーリー・グラント扮する天使の設定がユニークにしてある。ほほえましいお話。気まぐれ天使【字幕版】 [VHS]出版社/メーカー: ジュネス企画…

夜の人々

ふや町映画タウンの「かなりおすすめ」マークがついていて借りてみた。 ドキュメンタリータッチのストイックな演出がとてもいい。無理やり観客を誘導するような音楽も全然かからず、途中酒場でのブルースだけが際立つ。(音楽担当はリー・ハーラインという人…

BILLY BAT 15

なんだかもういろんな地球上の事件がとりあげられていってこっちにはただただ受け身に見守る感じになっているのだけど、そんな状況でも楽しめる力がいつも浦沢さんの作品にはあるなあ。BILLY BAT(15) (モーニング KC)作者: 浦沢直樹,長崎尚志出版社/メーカー…

信長協奏曲 11

この巻は上杉家の忍者おゆきちゃん編。創作の部分という感じだけど楽しめた。森蘭丸がかわいくて。 それにしても青年誌っぽい絵柄だなあ・・信長協奏曲 11 (11) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者: 石井あゆみ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/09/12…

よるとひる

表紙のクールな絵に惹かれて図書館で借りてみた。レナード・ワイスガードという人が絵の担当だけど、中の方はちょっとタッチが違って版画のような木炭画のような・・やさしいタッチで好奇心旺盛な猫の気持ちに寄り添っている。 わたしが予想したのとはちょっ…

夜明けの図書館 3

図書館での調べ物レファレンスサービスがテーマの作品。 ネットにはあがってないネットでは調べきれない事柄というのがあることに気づかされる。 “知りたい”って思いは明日自分がどうなりたいかに繋がっているからな その手助けをするのが図書館の仕事なんだ…

重版出来 4

主人公のまっとうな感じに励まされる作品。だからといって、元気なばかりでなく周辺のなかなか苦い局面を単純でない形で描いたりしてあり、そこがとても生きている。重版出来! 4 (ビッグコミックス)作者: 松田奈緒子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/09/…

きのう何食べた? 9

主人公のシロさん50歳。人生の節目にさしかかり「あー俺達年とったよな〜〜〜!!」のせりふが自分の実感とぴったりあう。年取ったと思う事が多いのでなく、年取ったことに気が付いてないのだけど、まわりの状況を冷静にみていると自分も年をとったなあ・…

リチャードを探して

アル・パチーノがシェークスピアの「リチャード三世」を分析して考えていく過程を描いた映画。 シェークスピアのものって当然こっちの力不足なんだろうけれど、たとえば小説「GO」の巻頭での引用や、息子の学校の進路説明会で将来への不安への対処をシェーク…

猫侍

ドラマ版をみて北村一輝のかわいらしい一面に気づかされ、もちろん映画版でも魅力的だったのだけど、映画版ではやっぱり寺脇康文!殺陣も決まり、華がある。劇場版 「 猫侍 」 [DVD]出版社/メーカー: KADOKAWA メディアファクトリー発売日: 2014/08/06メディ…

還暦からの電脳事始

一番おもしろかったのは「政治や経済とネットについて考えた」の項。お金がなくても誰でも立候補できる世の中、誰でも法案を出して議論を重ね投票し成立すると政府もそれについて審査しなければならない制度、など実現したらよいなあ・・還暦からの電脳事始(…

奇想天外! 浮世絵師 歌川国芳の世界

JR京都伊勢丹にて。 ポスターに惹かれて行ってみたがとても楽しめた!題材自体もおもしろいのだけど、その構成の仕方も、細かいところも凝っていてどの作品もすごい!かっこいい。 歌舞伎題材の猫ものとか、最近歌舞伎をみはじめた猫好きの私にはダブルでう…

三人吉三

平成13年6月 渋谷シアターコクーンにて。「勘九郎箱」というDVD-BOXにはいっている。 主役の三人は故・勘三郎さん、福助さん、橋之助さん。 この夏、ひと世代若い 勘九郎さん、七之助さん、尾上松也さんでみた*1のだけど、違いがよくわかった。この夏にみ…

団地ともお 9

この表紙の、コンテで線をかいて色をつけたようなタッチ、とてもいい。 「ともお」を読むようになってからカラスへの見方がかわった。団地ともお (9) (ビッグコミックス)作者: 小田扉出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/03/30メディア: コミック クリック:…

猫の本棚

猫をネコかわいがりしているヒトがどうも苦手な木村衣有子さんが、猫本についてまとめたもの。「愛別外猫雑記」の笙野頼子さんのの現実的で自分の足でたっていく視点、「ムーミン谷の彗星」における、ほの暗いけれど、暗部を描くことによってみえてくる希望…

元禄忠臣蔵 上・下

「仮名手本忠臣蔵」と「元禄忠臣蔵」は違うもの、というのを最近知って*1、「仮名手本〜」の方はとりあえず通し狂言でみたことがあるので、「元禄〜」の方にふれてみたいと思って借りてみた。今まで見た忠臣蔵とはがらっと話法の違う作品。ケレン味とかとは…

駅弁のポリ茶器

東海道新幹線開通50周年とかで、昔の鉄道の話がよくとりあげられている。ふと、駅弁と一緒に売っていたポリ茶器のことを思い出して、検索してみたら今でも売っている場所があるらしい。。こちら参照。

溝口健二 集成

溝口健二の文楽もの「浪花女」のあらすじが載っているということで、家の奥まった本棚から出してきてみていたのだけど、自分の知らない、公開当時の「赤線地帯」の音楽をめぐるやりとり*1や、山田五十鈴や依田義賢などいろいろな身近な人からの寄稿がヴィヴ…

京都の喫茶店:昨日・今日・明日

前著「京都カフェ案内」からもう12年!もともと浮ついたところのない木村さんの著作だけどさらに深みや落ち着きを増していて、今のこちらの気分にちょうどあっている。 きちんと喫茶店の人に取材してその店の歴史をまとめてあり、とりあげられれている事柄…

太鼓の音

昨日はあちこちで秋祭りをやっていた模様。地元でも行列でも太鼓の音が近づいてくる高揚感、いよいよ目の前に御神輿がやってくる興奮を初めて味わった。今までほぼそういうことに無関心だったのに。故・勘三郎さんの「め組の喧嘩」*1で最後御神輿が出てくる…

野田版 鼠小僧

「三太」という棺桶屋がひょんなことから鼠小僧になるという設定で、クリスマスを意識した大道具なども使われている。ちょうどこれを観た日、管理社会からはじきだされる・・ということに思いを馳せていたもので、勘三郎さんの熱演にうたれた。 福助さんの女…

連獅子

CS衛星劇場にて。歌舞伎初心者の自分が舞踊劇を最後まで見られるか心配だったのだけど、楽しめた。途中、片岡亀蔵さんと坂東彌十郎さんによるコミカルなシーンもあるし、それが最後の獅子の舞へのうまいつなぎになっていて・・勘三郎さん親子三人の息のあっ…

染五郎の超訳的歌舞伎

染五郎さんが監修された歌舞伎の衣裳図鑑の本*1の端々から染五郎さんの意気が伝わりこの本も読んでみた。 さまざまな演目の解説を演じ手からのポイントで書かれていてとても読みやすいし、次の鑑賞ガイドにもなる。 野村萬斎さんの「萬斎でござる」*2も、伝…

南部の人

ジャン・ルノワール、「大いなる幻影」はずいぶん前にみていいなあと思ったのだけど、あとの作品をあまりにも知らなさすぎるので、ふや町映画タウンのお勧めの印がついていたこの映画をみてみた。「大いなる幻影」も男の友情の話だったけれど、こちらもその…

平成中村座ニューヨーク公演2007 法界坊 隅田川続俤

2002年版を見終えて、こちらを見ると、NYの劇場の制約で短くしたこのバージョン、みやすくていいなと思った。最初の登場人物の紹介などもわかりやすい。また勘十郎という憎まれ役をこの回では笹野高史さんがされているのが、ほんとにぴったりというか、前回…