2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

絶壁の彼方に

三谷幸喜氏の「とび」*1で、ハーバート・ロムという俳優さんの訃報に際し、「マダムと泥棒」*2やこの作品の話が書いてあった。特にこの作品は「無数の作品歴の中から、これぞというものを選ぶなら」ということで名前が挙がっている。しかも、DVDになって…

ローマでアモーレ

ウディ・アレン編集のイタリアの紹介雑誌を読んでいるような感じ。要領よくまとまっているな、って感じだけど、自分の気持ちにぴったりはまったのは先日見た「恋のロンドン狂騒曲」*1の方かな。 フェリーニの「白い酋長」*2のアレン版がみられたのは、ちょう…

好男好女

「悲情城市」*1「戯夢人生」*2とこれが候孝賢台湾現代史三部作ということらしい。今回は、白色テロの時代の悲劇のヒロイン、ジャン・ピーユという女性を演じている現代の女性とジャン・ピーユの人生の重なりという構造になっているとのこと。 何かを伝えるの…

いくえみさんちの白い犬

三谷さんところのとびもラブラドールだったけれど、いくえみさんのところも色は違えどラブラドールの老犬。健気さ、ちょっとまぬけなところもあるかわいらしさは共通。 しかし、ペットの飼い方は、自分の小さい時(昭和40年代)とはずいぶんかわったな。犬…

女子校育ち 

身に覚えのあることがいろいろあってニヤニヤしながら読む。 女子校とひとことでいってもいろんな女子校があるわけでその辺の区別もおもしろい。 女子校=なよなよしている、でなく、むしろ女子校=男性の気持ちを意識しないノリ→お酌などの気配りができない…

三谷幸喜のありふれた生活 12 とび

朝日新聞の木曜夕刊で三谷さんのコラム読むの楽しみにしているのだけど、夕刊で読むときより本になってまとまって読むときのほうがいつも楽しい。これはなんなんだろう?ゆっくりと著者の世界に浸れるからかな・・ この巻は「其礼成心中」や「ホロヴィッツと…

恋のロンドン狂騒曲

一分も退屈しない。いろんな世代の悩みが妙にリアリティを持ってでも笑える感じで美しいウディ・アレンの映画の世界で描かれていて、ああ楽しかった!「マルホランド・ドライブ」が初対面だったせいで、なんとなくみていて圧倒されがちになってしまうナオミ…

くるねこ 2

私はカラスぼんっていうオス猫がかわいらしいと思う。なんか小学生男子みたいで。くるねこ 2作者: くるねこ大和出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2008/06/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 11人 クリック: 49回この商品を含むブログ (94件)…

姉の結婚 2、3

透明できれいな絵柄に大胆な展開。というか、これだけきれいな絵柄でなければいやになってしまうような登場人物たち。しかし、気持ちはわかる感じ。。。1巻読んでいるときは九州のどこかが舞台と思っていたけれど、三巻の市電と山が迫った風景の表紙とか繁…

菅原伝授手習鑑

今回の桜丸切腹の段は竹本住大夫さんの引退狂言となった。桜丸が吉田蓑助さん、女房の八重が吉田文雀さんで、ベテランぞろいの舞台。イヤホンガイドの高木秀樹さんのおっしゃるように最後に花を添えておられる感じ。そして、高木さんの住大夫さんへの言葉も…

コールド・フィーバー

永瀬正敏がアイスランドに両親の供養に出かける話。ちょっと前に読んだ「逃北」*1のグリーンランドの項に少し出てきたたアイスランド。そういえば淀川さんとおすぎさんの本にアイスランド映画の話が載っていたなあとこの映画をみてみる気になった。 なんでも…

乙嫁語り 5、6

5巻はふたごの結婚式。6巻は活劇。作者の森薫さんは民族学的好奇心が豊かで、ちゃんと調べる人なんだなあ。乙嫁語り 5巻 (HARTA COMIX)作者: 森薫出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン発売日: 2013/02/19メディア: Kindle版購入: 3人 クリック: 3…

ゴールデンボーイ

スティーブン・キング原作。青春ものであり、人間心理のこわさを巧みに表現するところ、まさにそういう感じ。ハリウッド系の映画をあまりみない私だけど、これはふや町映画タウンのおすすめに載っていてみてみて本当によかった。 アメリカのハイスクールの、…

ヨーロッパ・ヨーロッパ 僕を愛したふたつの国

「オリヴィエ・オリヴィエ」*1がおもしろかったアニエスカ・ホランド監督作品。ナチス統治時、ドイツ陣を装い生き延びたユダヤ少年の実話をもとに作られている。ナチズムの話だからといってずっと息を詰めてみなきゃいけない感じでもなく、かといって調子が…

戯夢人生

wikipedeiaによると 前作『悲情城市』を第2部、次作『好男好女』を第3部とする侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の台湾現代史3部作の第1部となる作品で、台湾が日本統治下にあった1895年から、1945年の日本敗戦による解放までの時代を背景に、侯孝賢映画の常…

猫侍 玉之丞写真集

猫好きでドラマの批評眼がしっかりした友人が、このドラマをすすめてくれて、わたしは北村一輝の自虐はいったような虚勢はいっているような、でも誇りを失わない絶妙なコミカル演技と、時代劇なんだけどカジュアルな台詞回し、猫のかわいさにもうこれを見る…

かわいいにもほどがある

猫ものばっかり読んでるけれど、この作品のツッコミセンスがシャープでとっても好もしい。ほんとによくわかる描写で家に居た猫、関わりのあった猫のことを描いているのだけど、笑いの中に生き物のさだめとしての死が織り込まれ、その加減が絶妙でこちらも完…

アマデウス

有名すぎて後回しになってしまったこの映画、勝手にサリエリがモーツァルトを毒殺する話と思い込んでいたのだけど、描かれていたのはもっとお話として魅力のあるものだった。 時代衣装に身を包んだもの、割合敬遠しがちなのだけど、とてもきれいな包装紙か砂…

オリヴィエオリヴィエ

大傑作。失踪ものというのはどうもモヤモヤするもので、ためらっていたのだけど、ふや町映画タウン、淀川長治氏、ウェス・アンダーソン監督のおすすめにあがっていて、みてみたら、失踪のもやもやでひっぱるのでなく、失踪から起きる家族の心の中を描いてい…

逃北〜つかれたときは北へ逃げます〜

能町さんの本を読んだのははじめてだったけれど、なんともおもしろかった。屈託を抱えながらの丁寧さ、それが馬鹿丁寧でバカにされている感じでなく、自分の心にそっと寄り添ってくれる感じ。「北」が必ずしも緯度的なものだけでなく心理的な北を指すといっ…

猫のよびごえ

タイトルどおり捨て猫のよびごえにこたえてどんどん猫屋敷化していく町田さんの家。帯にある「みんなが生きていたこと、その時間」まさにそういう本。猫のこと離れて一般的に家族として生活していくことをも表現しているような・・町田さんの猫に寄り添った…