京都府北部美山の蛍庵という場所で行われた「和蝋燭で文楽」というイベントに参加した。
協力された中村ローソクという会社の方の説明で、舞妓さんや文楽人形の顔が白塗りなのは蝋燭の光の陰影で美しくみえるため、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」にも書かれている畳に差す光の話などもそういうことなのだと。(聞きかじりの意訳)
今まで蝋燭の下での文楽など体験したことはなかったが、なるほど、蝋燭の光の下の人形の表情は美しかった。あんなに陰影が出るものとは。
↓下手な写真だが、蛍光灯の光のもとのお人形(右)と蝋燭の光のもと(左)ではずいぶん違ってみえる。
衣裳も普段はプリントとのことだけど、この日の人形は美山で作られた茜で染められたものを着せてもらっていてとてもしっとりしていた。(茜の栽培プロジェクトとも協力し合っているイベントということだ。)
いつもプリントでも十分衣裳の豪華さを楽しんでいた自分ではあったが、その日ちょうど帰ってからTVでしていた文楽中継を観て、衣裳の違いを実感した。
人形の主遣いは吉田勘彌さん。帰りにはわたしたちと同じバスに同乗され、オフのお姿も親しみやすくもきりっとしておられ、勘彌さんのお仕事が俄然気になってくる。
演目も八百屋お七のはしごのところなど、普段そんなに文楽を観ていない人にもわかりやすく興味深いものにしてあった。
↓Googleが知らせてきた諏訪でのプロジェクト。こちらにも勘彌さんが関係しておられる。父の晩年ずっと全公演大阪まで行っていたのだが、最近ご無沙汰してしまっているが、文楽の人たちのがんばりは応援していきたいと思っている。