文楽へようこそ

同学年の文楽鑑賞の先輩に教えてもらったのだけど、ほんとに文楽をみはじめた自分にぴったりのよき本だった。表紙の人形遣いのお二人を中心に、あとは昭和40年生まれ前後の(中堅とお呼びしていいのかな?とにかく生まれた年代が自分と近いものだから感覚も近いところがいろいろ見受けられる)方々の肉声がきける楽しい本。肉声といっても、文楽から離れることはなく、人形のかしらと浄瑠璃のコンビネーションなど鑑賞がより楽しくなる話が多々。また文楽劇場近くの黒門市場や、文楽にまつわる大阪の名所めぐりなど、大阪の文楽を応援してくれる空気に満ち満ちたよい書物だった。巻末の咲寿大夫さん作のコミック、大夫さんが人形遣いさんたちの現場を愛情深く描いているのがまたいい感じ。勘十郎さんも玉女さんもそっくりに描かれ、楽しかった。


文楽へようこそ (実用単行本)

文楽へようこそ (実用単行本)