戦前〜戦中映画を二本
1.東京の女
オリジナルだけみていると大げさで拙くもみえる悲劇にドラマはうまい肉付けをし、「東京の女」の弟、良ちゃんの持つイノセントさを上手にソフトランディングさせていたな、あのドラマを観たことでオリジナルを楽しめたなと感じる。
オリジナルに出てくるマスコミの土足感もリメイクではそれ自体を見世物にすることなく、マスメディアは絡ませながらも特定のなにかを悪者にして終わるのではない成熟が感じられた。
2.簪
再見
初回の印象*2は温泉宿にいる小言幸兵衛教授 斎藤達雄の面白さが中心だったが今度は再見の余裕からかもっとテーマに沿って余韻に浸れた気分。
日常から離れての温泉でのひととき。相部屋、碁の相手などの交流、そして干渉。。トラブルから生まれる意外と楽しき時間。現代でいうとちょっとシェアハウス的なおはなし。血縁関係はない人たちとも一緒にいるときは濃密に環境による苦楽を共にしたりして。
煩わしさもあるけれど休暇が終わりそれぞれの現実に戻るときこのひとときがなにかを変える力にもなるのかも。。って!すごい良い作品やん!わざとらしい盛り上げもないところがさらに余韻を残して。
こんなに尺とるか?とかいう部分もありつつも、このさりげないスケッチ風のまとめ方がほんと味わい深い。子どもの絵日記の使い方もすこくセンスが良い。
「簪」はふや町映画タウンおすすめペスト1000