果てしなき蒼空、彼女は二挺拳銃

ふや町映画タウンおすすめの西部劇系映画を二本。

「果てしなき蒼空」(ハワード・ホークス 1952)と「彼女は二挺拳銃」(リチャード・セイル 1950)

まず一本目の「果てしなき蒼空」

川で半年も登って行かなきゃいけないような奥地の部族のところに、別の部族だかに捕らわれていたネイティブ・アメリカンの女の子を送り届け、恩を売って毛皮交易をしようと試みる男たちの物語だが、主人公はひょんなことからそれに同行するカーク・ダグラス

彼はただ流れるままにそのプランに乗っかり命がけの冒険をすることになるのだが、全編寛容で心に余裕があり大変魅力を感じる。彼が森で出くわし、冒険に巻き込まれるきっかけになる若い男が血気盛んですぐ喧嘩をするものだからより対照的。

ついこれはフェアトレードなんかなとかいらんことも考えそうになるが、競合チームが悪どい設定になっており、そこで一応悩みは回避、その妨害を知恵を出しあいながら、また多数決の是非も問いながら乗り越えていく姿は基本の基本の生活技術をみせてくれる場となってる。西部劇ってその要素結構あるような。ないならないでないところで工夫するという。生きていくうえでの考え方もそこに尽きており現実的でありそこが魅力だろうな。

 

もう一本目「彼女は二挺拳銃」

鉄道黎明期、鉄道を開通させたい会社側とそれを妨害する駅馬車会社の攻防をコメディタッチで。

鉄道を巡る闘いが基礎のドラマをいくつかみてきたが、鉄道側中心に話が進むのは自分には珍しいかも。機関士役のウォルター・ブレナン、つくづく味あり、彼の機関車への愛情が味方したくなる原動力となっている。
不勉強で初めて名前を知ったダン・デイリー。口八丁で商売をやってきた人物、少々のいかがわしさもありつつ心をつかむ空気あり、歌って踊れ闘える寅さんみたいな感じ?とても魅力あり。「ショウほど素敵な商売はない」に出ておられるらしい。
駆け出しのモンローもコーラスガールで出演しているがやはりとても光ってる。彼女たちのシーンとても華やかでたのしいし、この楽隊の存在で映画がとても良くなっている。

ダン・デイリーが世界中を歩いてきた男という設定で(ここもスケールのデカい寅さんか?)彼の経歴が生かされる展開なかなか小粋である。よい脚本。(メアリー・ルイスとリチャード・セイルスとのこと)