おかえり横道世之介

 

単行本のときは「続横道世之介」だったんだな。こっちのタイトルのほうがずっといい。

横道世之介」は原作*1も映画*2も出来がすごく良くそこで一つの大きな完結をみせているから続編ってどういうこと?と思っていたが、この形式なら全くok。いわば「スター・ウォーズ」タイプで、語られなかった時間のことがあとから語られているのでもう正編のファンだったものにはとても嬉しい時間。まさに、「おかえり」だ。なんでもさらに完結編が連載されていて、少年編の構想もあるそうな。読みたくなった。

世之介というぼんやりしているけどなんだかいいやつ、彼のはなしを読んでいるだけでこちらも終始楽しい気持ちになり続けた。いい人すぎない加減がまたいい。去年の東京五輪パラリンピックの話題が出てくるが、今までずっと反対派だった自分もはじめて素直に入り込める本の中の五輪。楽しかった。

この巻では下町の元ヤンキーみたいな人たちの生活が出てくるのだけどこれが結構身近でリアル。世之介の池袋のアパートの中国人の隣人たちの様子も正編とつなぐものを感じひとり気持ちが盛り上がった。世之介もののファン度が高まった。続きも出版されたら読むつもり。