女と男の観覧車

 

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久しぶりに観たウディ・アレン作品。幕開けの音楽、フォントだけでもう胸が躍る。そして、始まるなりのくさし芸。気に入らない相手のことを陰でまくしたてるところ、この定番が私は大好き。ほんと自分にとっては、古典芸能みたいな楽しみがある。

乙女の祈り*1や「タイタニック」でヒロインを演じていたケイト・ウィンスレットが疲れたアラフォー女性を。元々あと一歩な女優で、自分で自分の身を滅ぼしてしまうような目先のことにふらっといってしまうようなところもあり、というもろさのある女性をうまく演じている。「ブルージャスミン*2や「サンセット大通り*3ともどこか重なるような皮肉を感じさせる映画。

美しくてかなしい場面、軽妙さが哀愁になるようなスタンダードナンバー、遊園地の音楽、美しい風景、テンポよくまとめられたストーリー、観ている間はずっと現実を忘れて入り込める画面作り‥変わらぬ仕事人の成果を味わうような楽しさ。

ケイト・ウィンスレットの連れ子、映画館に入りびたりの問題児にもウディ・アレンの影を感じた。終盤で名前が出てくる「空中レビュー時代」。ウディ・アレンの作品に出てくる古典はちゃんと観ておきたい気持ちになる。