ご挨拶

 

ご挨拶 [VHS]

ご挨拶 [VHS]

  • 発売日: 1992/07/22
  • メディア: VHS
 

音楽プロデューサーの酒井政利が監修を務めた全三話のオムニバス作品。第一話は寺田敏雄が脚本・監督、第二話は市川準が脚本・監督、第三話は寺田が脚本・モモイカオリ(桃井かおり)が監督を担当した。

all cinemaより。

 

1991年の作品だが、1988年森田芳光が総指揮と脚本を務め「バカヤロー! 私、怒ってます」あたりからこういうオムニバスものがぽつぽつ出始めたイメージがある。

第1話、「イロイロ、ありまして」。まるで、市川準氏の有名な「禁煙パイポ」のCMのようなタイトル。(第一話は市川準監督の作品ではなく、市川氏の作った第二話はずっと落ち着いているのだけど。)蟹江敬三が、苦労する課長役。こういう、無頼風から出て来た人がサラリーマン役するのも90年初頭の流れのように感じる。(93年のショーケンのドラマ「課長サンの厄年」とか。)話は無理やり大きくしている感じ。それも時代の空気かな。ある種の「世にも不思議な物語」みたいなテイスト。OL役の真行寺君江は美しいし、90年初頭頃の企業の雰囲気は懐かしい。蓮舫氏も友情出演。

第2話、市川準監督の「佳世さん」は、60代の東京の下町のキオスクで働く女性を軸にとらえた佳作。堀切菖蒲園駅あたりも佇まいをゆっくり撮るカメラも良い。タイトルの「佳世さん」は誰のことか後からわかる設定も味がある。あの当時はまだまだ戦争に影響を受けた人たちが現役世代だったんだなあとも感じた。

第3話、モモイ・カオリ初監督作品の「NOW IT'S THE BEST MOMENT IN OUR LIFE!」、こちらはその精神に愛すべきものを感じた作品。久しぶりの同窓会、いつまでも上からの毅然とした先生。なんだかわかる。古尾谷雅人は台詞がなくて立っているだけでも魅力を発散させている。ほんとに惜しいなあ。