劇場

 

劇場

劇場

  • メディア: Prime Video
 

素晴らしい出来と思えた。ヒリヒリしてひきこまれる。原作者又吉氏が太宰治好きなのわかる。東京あるあるというか、若き日の自分や周りの人間を見ているような気持ちになってしまった。山崎賢人氏が演じる永くんという小劇団を立ち上げた男のプライドやら不安の挙句の自己防衛やらもうほんとにどうしようもないのだけど、ヒモのひとによくあるような、頭では離れようと思っても離れられない妙な魅力(肉体とかではなく、弱さや真摯さの表したかたがうまいんだと思う)の出し方が絶妙で、ものすごくわかってしまうストーリー。松岡茉優演じる彼女、さきちゃんは聖母のようで、彼女のほうが彼のことを全部把握しているんだけど。。という物語。切ない。

下北沢らしい人間関係。構造も「アニー・ホール」みたいなところがあり、面白い。(もっと傷口がパックリしている感じだが。。)性的な表現が一切出てこないのがとても良い。最近それ表現しても陳腐なだけ、と思うことがままあって、具体的な描写が一切ないことにとても新しさを感じた。

※この週はほんと又吉漬けで、又吉の書いたドラマ「不要不急の銀河」というのもみたのだが、今の、ドラマを作りにくい、人と接しにくい世の中でどうやっていくかという皆が悩んでいるであろうことにターゲットを絞ったすばらしい出来。2020/8/15に再構成して再放送があるようなのでたくさんの方にみていただきたいな。

www.nhk.jp