みたのはVHS
クレイジーキャッツ全員での最後の映画だったとか・・いぶし銀の演奏シーンや、普段は会社等で納得のいかない思いをしたりしているメンバーがジャズの話をしているところの、演技を超えた自然に楽しそうな様子はとても渋くて良かった。そのあたりの雰囲気は全盛期のクレイジーよりこっちのほうが好きなくらいだ。(自分が渋好みゆえ)
88年の映画ということで、当時の会社の雰囲気は色濃く出ている。今、特殊な状況下でみると、平和で羨ましい時代のようにもみえてしまう。
全体の脚本の流れは時々首をかしげるところもあった。クライマックスシーンのごたごたもちと不自然だったし、主人公ハナ肇が良い子だなあとみている女子社員とのやりとりなど自分がこの女性社員だったら、と思うと、何かリアリティが足りないようにも感じた。。。それでも、クレイジーキャッツのメンバーの渋みはとても良いものだった。特に植木等、二十代の時(80年代)、友人がとても好きで、自分の地域の成人式に植木さんが来場したのに、私が欠席したのを「なんと惜しいことを」といっていたのだけど、今みると、ちょっとしたたたずまいが確かにすごくダンディだ。なにか光っている。今頃悟った。
イッセー尾形氏が、本筋とは関係ないのだけど、おもしろい役回りをしている。市川準監督はイッセー氏のことをかなり買っておられて、わざわざ作られたのではと思うようなシーンだった。