1961年 フランソワ・トリュフォー監督
ジュールとジムという二人の友人がみつけた女神のような女 カトリーヌ(ジャンヌ・モロー)
もっとあっけらかんとした自由すぎる作品かと思いきや、気まぐれにもみえるカトリーヌの行動は男に許されていることがなんで女にダメなんだよというような理屈が結構通っていて、純度が高すぎてコワい女という風にみえた。生きやすくするために勝手に作り出した妥協込みの社会のルールに従わない人間という感じ。
最初の結婚相手ジュールは彼女を失いたくないからジムと心を通わすカトリーヌの姿をみて二人が一緒になることを望み、自分はその側で生活することを選ぶ。三角関係というよりそのときそのときカトリーヌの気持ちは直線のようにみえる。
私はこのジュールに目が離せなかった。一見静かなる生活の中で渦巻いている感情に。カトリーヌはちょっとわけわからないけど、ジムとは話し合える、という風にもみえる彼。(もともと原題は「ジュールとジム」だし、カトリーヌは触媒のようなものにもみえる。)そして、基本は社会の中に生きている彼、すべてが終わった時の彼のつぶやきに共感をおぼえてしまう。
若々しい作品なんだけど作品全体になんともいえない香気が漂う。
ジャンヌ・モローの歌声も自分には新鮮。