人生のさまざまなタイミングで違う方を選択していれば・・という4つの人生の物語。
60歳にもなると、スタート地点では同じように思っていた同級生のその後を、勝手に「自分が生きられなかった人生」「自分が選択しなかった人生」の話としてきいてしまうことがある。基本的には人生を形作っているのはその瞬間その瞬間の選択であり、その集積のように思っているけれど、それをうまく一人のピアニストを目指した女性の四つの物語として結実させ、納得させられる物語。主人公(ルー・ドゥ・ラージュという女優さん‥知らなかった)の演じ分けがうまい。
始まりの方は、どの人生が本当に生きた人生?などという観方をしていたが、途中からどの人生もあったこと、として観るようになる。「勝ち組」とか「負け組」とかいう言葉に踊らされることのばかばかしさもそんな野暮な真正面からのいい方でなくうまく表現しているように思う。また、こどもの人生への向き合い方も自分がこども、自分が親、自分の親が老いてから、の何パターンか用意してあり、経年による変化もリアルで身近な気持ちで参考になる。
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