みじかくも美しく燃え

 

1967年 ボー・ヴィーデルベリ監督

今年になってボー・ヴィーデルベリ監督の作品を続けて観た。「サッカー小僧」*1と「刑事マルティン・ベック」*2。両者物事の描き方が落ち着いていて、でも少し皮肉を含んだような惹きつけられる語り口でとても魅力を感じ、タイトルだけは以前から知っていたこちらも鑑賞

こちらは本当に起きた伯爵中尉と綱渡りの女の子の心中事件を描いている。

 

夢のような美しさの北欧の草原や岸辺への二人の逃避行

堅実性などまるでなくおままごとのよう

「みじかい」からとても「美しく」「燃えている」

 

動物のような部分もある女の子、「伯爵中尉」である自分を捨てられない男、そんな実相をちゃんと描いているから、観ているこっちも寄り添える。

 

宿の子どもが色鮮やかな赤いワンピースで出てくるがモデルみたいなかわいらしさとかでなく、メガネかけてちょっとボサっとしてたり、そんな加減が品が良く、監督らしくてとてもいい。

 

北欧の田舎の美しさと二人のままごとぶりの並立が素晴らしいバランスの作品だった。