いかにも軽い感じの、何も今?と思われるようなジャケットだが、これが自分にはなかなか拾い物だった。
渋谷のパルコをテーマの矢口史靖監督と鈴木卓爾監督による共作オムニバスなんだけど、自分は鈴木卓爾監督かなり好きかも・・と思った。空気が抜けたようにみえるボールなんだけど、当たり所がよくてヒット、不思議な多幸感に包まれる・・みたいな気持ちになる。2016年の「ジョギング渡り鳥」*1とかもとらえどころないけれど、なんだかこの世界観よいなあという気分に最終的になったし、2009年の「私は猫ストーカー」*2などは、観た直後ほんわかしすぎでスパイスちょっとほしいかもと思ったのだけど、あれが鈴木監督の世界なんだ、となんだか理解した気分。
鈴木監督の「はるこ」に出てきた多分もうすぐ中学生になる設定の男女とか、「見上げてごらん」の荒川良々とかもうものすごく魅力的だった。
最後パルコで物販している人たちという感じでちょっとしたプロモーションビデオみたいな部分があるんだけど、今みるととてもまぶしい。先週まで自分のしていた接客の仕事、どんどん状況が緊迫する中で家族のことお客さんのことを思い詰め、さっさと自粛したいと思っていたのに、いざ、家で自粛し、結局ひたすら緊張している日々を送っていると、なんだかいろいろな意味でとても職場が恋しい気持ちになっている。感傷気分になっている場合ではないのだろうけれど・・