ダンス・ウィズ・ミー

 

ダンスウィズミー

ダンスウィズミー

  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: Prime Video
 

 2019年矢口史靖監督作品。主人公は大手一流商社のOL。観ているものに親しみを持たせるためなのか、負け組主人公の設定に普段慣れている自分には、傍観者的立場からのスタートではあったのだけど、商社×ミュージカルって日本初の本格ミュージカル映画「君も出世ができる」*1の子孫的立場とも思われる。

使われている楽曲は、「狙いうち」「年下の男の子」「ウェディング・ベル」「浜辺の歌」「タイムマシンにお願い」と昭和の名曲のいま風のアレンジで自分には親しみやすく心地よい。恵まれているヒロインがそこを離れて旅をさせられるきっかけは、遊園地で出会う宝田明演じる催眠術師だが、この辺の感じはトム・ハンクスの80年代ムービー「ビッグ」のようで、そこも嬉しい。宝田明のいる催眠の館の一角の自らを宣伝する手書きの張り紙だらけの演出はとても気に入ってしまった。あるある。

主人公のボブヘア、何度か出てくる渋滞などは「ラ・ラ・ランド*2が始まるか?と思わせながら、そこまでは至らなかった。車がらみの出来事では「ウェストサイド物語」の翻案みたいな場面があり、そこもなかなか良かった。

矢口監督の映画、基本的に要領良くまとまりすぎるイメージで土台が自分とは違うなと思うことが多いのだけど、今回はヒロインを演じた三吉彩花氏の声の美しさ(終盤の「浜辺の歌」とてもいい!)とダンスのキレ、途中から一緒に行動するやしろ優氏の豊かな表現力、そして宝田明氏の余裕のある情けなさの空気が良くて楽しめた。

宝田明の借金の追い込みに行く三人組にミュージシャン的な妙な味があったのだけど、今のところ詳細がわからない・・

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