テロリズムの夜

 

 ビデオジャケットより

市民ケーン*1のモデルとして有名な新聞王ウィリアム・ハーストの孫娘のテロ組織による誘拐と、その後彼らの一員となった彼女の変貌が全米を震撼させた「パティ・ハースト事件」。この実話を元に、「タクシー・ドライバー」で脚本を担当した鬼才ポール・シュレーダーが映画化した衝撃の問題作。

 最初のパティの普通の大学生という様子から始まり、一応パティの心情を中心に描かれているこの映画、なかなか面白かった。「ストックホルム症候群」みたいなものやら、生存するためのぎりぎりの選択やら混ざっているのか、ゲリラ組織一員となってからはその集団から認められたい一心となって、なんだか異常に同調したり、ゲリラ組織にはすごいいい顔、外には虚勢を張っているような姿が妙に身につまされ、でも、この人が自分が陥ってしまうかもしれないことを代わりに演じてくれてるんだという思いで興味深く最後までみられた。

ハースト家の新聞というのがタカ派系の、スキャンダル諷刺をかきたてるようなものというような話を読んでポール・バーテル監督の映画「スキャンダル・スパイ」*2を思い出してしまった・・