ブルックリン横丁

mixiのふや町映画タウンのコミュで出会った方のブログで、赤狩りの中で裏切者の汚名を着てしまったエリア・カザン監督のことがとても気になる存在になっていた。
この作品はブルックリン横丁に住む儲かってない感じの芸人の父を持つ家族の物語。「こどもにミルクでなくお人形を買ってやるような人」というたとえが途中で出てくるけれど、夢を大切にしている父親で想像力豊かな長女にとても好かれている。母親としては日々のミルクのことが大切なわけで、結婚した当初の夢みたいな話はいつまでもしてられない。まじめなばかりで心は石という母親が漏らす反省は、少しドキっとしたけれど、この妻がいるからこその夢を追っかけられる夫ありなわけで・・
女の子は図書館の本の著者名目録の頭から順番に本を読んでいってるが、これ、朝のドラマ「ひよっこ」に出てきた豊子という優等生がそういう設定にしてあったな。わからなくても一生懸命本を読む子。シェークスピアを音読するシーンなども出てくる。
「ペレ」*1でも、字を学ぶことがペレの力になっていったように学ぶことの力というのが描かれている。今教育の機会均等ということが問題になっているけれど、大事なことだとつくづく思う。女の子を演じていたのは天才子役ペギー・アン・ガーナ―とあったけれど、生活力旺盛なところと学ぶのが好きなところを兼ね備えた女の子をとてもうまく体現していたし、細やかな表情の演技もたくみで、物語にすっと入って行かせてもらえる。
テッド・ドナルドソンという子役の演じた勉強の嫌いな弟二―リーとのコンビネーションもよく、二人のやりとりで終わるラストもとても爽やか。
大切なシーン(クリスマスと母の出産)で映し出される窓辺のシーンがとても美しい。
恋多き調子のいい伯母さんなどもちゃんと役割分担があり、こういう配置よいなあ。そして、クリスマスのエピソードも印象的でクリスマス映画でもあるなあ。

ブルックリン横丁 [VHS]

ブルックリン横丁 [VHS]

  • 発売日: 1991/11/21
  • メディア: VHS