さよならも出来ない

立誠シネマにて。
形を変えた「逃げ恥」というか、別れてから三年間、境界線を設けつつ一緒に暮らしている二人の物語。現代はいろいろな形態の暮らしがあって思慮深い二人がそこで足踏みしているのはあるだろうなという世界。連絡はほぼ連絡帳、連絡帳の前にたてかけてある各自のおすすめ本、また男の寝ている部屋のたくさんの本が雄弁。男は仕事場でも本に囲まれていて、寺山修司のいうところの書を捨てることができないタイプ?突破口はかっこ悪いだとかなんだとかいうつまらない自我を超えた犬の姿にあるのかもしれない。京都市役所でのシーンが伏線に。周囲の人物も丁寧に描いていて好感。

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