現代、野蛮人入門

これはもしかして若い人に向けた本なのかな・・松尾さんの今までを振り返りながら書かれたこの本、これから社会人になる子供に読んでもらい、これからの航路をなんとか乗り切っていく参考にしてもらいたくなるような文章だった。気持ちよく共感しながら読み進められた。

付箋を付けたところ

本当の大人とは「ルールに染まりながらも、そこから自由になるための秘策を持っている人」

(p80)

わたしは、自分の演劇や小説で、常に「他人」という名の独善の恐怖を書いているような気がします。

(P85)
大いに同感、そして共感。

我々は、基本的に自分をコントロールできない。たとえ大人になっても。それを現実として認めるところから始めなければ、大人について語る資格はないでしょう。我々はもれなく確実に「大人」になれるわけではない。ただ「いい年齢」になるだけなのです。

(p91)

「夜と霧」の例を挙げながら

「ユーモア」に、大人というキーワードを解くカギが隠されているような気がします。子供は終始笑っているように見えますが、あれは、ユーモアで笑っているのではなく、おかしなことに反射的に笑っているだけです。ユーモアこそ、苦しい状況を切り抜けるための大人の武器でもあります。

(p92)
ロベルト・ベニーニの映画「ビューティフル・ライフ」は「夜と霧」ともつながっていたのか・・

職業を様式として煎じ詰めていくと、“上の立場の人間に利用されやすい”いわゆるブラック企業の歯車になる可能性も高くなります。そこには十分気を付けていただきたい。我々は、戦争も年金問題も逃げ切った老人たちに、さらに得をさせるために生まれてきたわけじゃないのです。それを叩き込んだうえで、その現実をおもしろがれるか否かに、“様式としての職業”の岐路があると思います。

(p119)

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