荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論

荒木さんの語り口、つくづくおもしろい!各章の頭の絵もかっこいいし、「田舎に行ったら襲われた」系ホラーなど、命名も分類の仕方、評価の仕方もよい。「田舎に行ったら〜」の分類には、「イージーライダー」も入ると思うな。ホラーはあまりみないのだけど、話芸のようなものとして充分楽しめた。興味を持ったのは「ヘルレイザー」のコスチューム。

「悪魔・怨霊ホラー」の章に書かれていた荒木さんの悪魔というもののとらえ方、つまり、暴力をふるわれたり、戦争で死んだり、愛を成就できなかった人たちの怨念など蓄積した負のエネルギーの塊が何かのきっかけで一点に集まるような形で具現化してしまうのだと思うからおろそかに扱ってはいけないという考え方、とても心に残った。

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

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