猫と人と古民家と

キャットシッター南里さんは、「それいけ、キャットシッター」という本を読んだことがある。その時は猫を飼っていなかったのだけど、書評家の藤田香織さんが、本が増える一方なので「本の福袋」という企画をたてられ、それに当たって、送ってきたものの中にはいっていたのだった。ただ詰め込むのでなく、構成を考えて送られていたあの企画、本当にすばらしかったな。
そのまま南里さんのことは忘れかけていたのだけど、最近動物の研究をしている娘から南里さんの名前をきき、また著作を読むことに。
猫の部分もなるほどと思ったけれど(猫はあたりの雰囲気をすごく吸収する生き物で、猫の様子をみて決意をうながされたあたり)古民家を手にいれ手直しする苦労が、いい恰好せずに、失敗と思ったことをそのままに書かれているのが心地よい。自分も古い家に住んでいるので、手直しの大変さはよくわかるし、積み上げる楽しさもリアルでおもしろい。
また南里さんの、猫を手放しでは歓迎できないかもしれない漁村への気配りのある視点、猫を自由に暮らさせたいけれど、生涯補償ということで預かった猫たちを危険な目にあわせられないという思いなど仕事人としてのバランス感覚、周りへの責任感が心地よい。

苦労の末の成果としてうつっている暮らしの一端をあらわす写真をみてると、小さい時から自給自足ライフにあこがれつつも、結局なまけてる自分も、小さな自給自足からはじめようかなという気にもなった。

猫と人と古民家と

猫と人と古民家と

それいけ、キャットシッター!

それいけ、キャットシッター!