あぶな坂HOTELというのはあの世とこの世の間に建ち、臨死状態の人がそこでどちらの道を行くか決める場所。表紙は昭和時代のホラーマンガのような泥臭さも持っているのだけど、あえてそうなのだろうと思う。さすが萩尾望都、すごい構成力と残酷なほどの観察眼でうならされた。途中で「ヨモツヒラサカ」という言葉が出てきて気になって調べたら、漢字では「黄泉比良坂」と書き古事記の黄泉の国のおはなしに出てくるあの世とこの世の境目のことだった。イザナギとイザナミのあのお話、グロテスクすれすれのものに子供のころなんともいえなく惹かれて、何度も読んでいたなぁ。「黄泉比良坂」という名前の山岸涼子のコミックもあるらしい。こちらにも興味を持ってしまった。
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: コミック
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- 作者: 山岸凉子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1985/11
- メディア: 新書
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