ドクトルまんぼう青春記

なんとも素敵な本だった。旧制高校バンカラ話は、今の大学生の様子などとはまるっきり違っていて、「サラリーマンNEO」に出てくる、応援団の先輩をみているようなんだけど、その日々の中で腹まで割って理解しあえるよき友人に出会っておられるさまが、いよいよ旧制高校を卒業し、大学に進学する段ではっきりしてきて・・その思い出の場所に、卒業してから行った時の、もうそこの構成員ではないというあの感じ、ものすごくよくわかるし、春の宵の空気を触れるほどに感じた。若い人に向けての思いをこめておられるところもよく、北杜夫って素敵な人だったなと改めて思った。随所に出てくる厳格な父茂吉とのからみがとてもおもしろい。北さんの茂吉がらみの本読んでみようと思った。北さんの愛読書「トニオ・クレーゲル」も読みたい。

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)