京都の7月は祇園祭。祇園祭というと、17日に山(鉾より小さいものという印象があります)や鉾が大通りを移動する「山鉾巡行」が有名だけど、それ以前に山や鉾を所有している鉾町をぶらぶらあるいて、鉾の調度品のすばらしさ(重要文化財なども多し。)を確認したり、鉾町にある古いおうちで公開している屏風などのおたからを拝見させてもらう屏風祭もお祭りの重要な部分です。
鉾町とは呉服商の並んでいる室町通、新町通あたりの四条通を中心にした南北の一画になりまして、生きている古い町並みが一年中楽しめます。
近畿日本ツーリストが鉾町について紹介したこちらのサイトにもよい町家が紹介されているけれど、それ以外のわたしのおすすめを。
ひとつは紫織庵という長じゅばんの資料館。
長襦袢といっても、昔のはすごく凝っている。和建築なのだけど、洋風の部分もあり、建物もとても楽しい。こちらは一年を通して屏風祭を再現したものが行われている。
紫織庵の少し北にある永楽屋細辻伊兵衛商店などと一緒にみたら、戦前のファッション探索ができそう。(永楽屋さんは町家ではなくビルだけど。。)
京都芸術センターも祇園祭の担い手である町衆の経済力が結実したすばらしい小学校建築をみることができる。
最後にぜひ書いておきたいのは三丘園。四条通より少し南、綾小路新町西入るにあるこじんまりしたお茶屋さん。ちょっとしたデザートとお茶をだしてくださる場所で、鉾めぐりに疲れたら一服にいい場所。(メニューとかはなくプリンかゼリーのセットの選択制だった。)「昔の映画をみているみたいだ」という形容をよくきくのだけど、先日小津安二郎の「小早川家の秋」にでてくる京都の町家をみて、「あ 三丘園みたいな場所だなぁ」とつくづく思った。日本の美をたたえたのんびりできる場所。←2016年9月、google mapに三丘園は「閉業」との文字が・・
祇園祭の頃が一年を通してこの町が一番にぎやかになる時期だとは思うけれど、ほかの季節にいっても味わいのある一画。たべものやさんなども充実していますし、ぶらりとするのに楽しいエリア。
関心空間にこのことを載せていたとき、
ふーさんんという方が
宵山がクリスマス・イブで、山鉾巡行がクリスマスみたいな盛り上がり方ですよね。引き際がいいというか、あんなに盛り上がって山車も準備するのに、あっという間にかたづけてしまって、何もなかったようにすましてるのが、京都らしいですね(^^)。
というコメントをくださる。
それへのid:windshipさんのコメント
>何もなかったようにすましてるのが、京都らしいですね
ふーむ。確かにそういうところありますよね。でも自分では全然気づきませんでした。自分が天命を全うしたら、生きてたあかしが何も残らないのがいいなあ、と思っていた時があるのですが、何か、どこかで重なる思いです。ちなみに今は、残ろうと残るまいとどっちでもいいな、です。
さらに、ふーさんの書かれていた
送り火の大文字山にくべる、護摩木に願い事をかいて、勝手に感慨深く山を眺めたことあります。当日昼間、100円くらいで書かせてくれました。願い事云々より、なんだか満ち足りた気分!になりました。お薦めです。
との言葉に
windshipさんが
抹香くさい話が続いて恐縮ですが、大文字のお話を読んでいて、母が亡くなって初めてのお盆の送り火の日のことを思い出しました。近所で父と大文字を見ていたのですが、突如、父が「タクシーに乗ろう」と言って、順に、妙法・左大文字・船(順番あってる?)とまわってもらいました。普段着もいいところだったのに。。あまり仲のいい夫婦ではなかったのですが、父なりの思いと私への気づかいがあったんだなと、父も亡き今気づきます。
私のコメント
身近な人が亡くなった直後の送り火は、全然ちがいますね。本当にこっちに一時帰ってきて送り火をみながらまた向こうへいかれる感じがしますよね〜。
ふーさんのコメント
軒先でも大文字でも、送り火を焚くと、残された者の気持も浄化されるようで落ち着きますね。ただ、私は白い蝋燭に火をともすのがニガテです。寿命を表す、と聞いて、自分のも人のも・・・見ていられないです。