大文字 消し炭


毎年8月16日に、京都で五山の送り火が行われる。できたらこの日は京都にいておきたいなぁ。。と思っている京都の人が多いような気がする。大文字、左大文字(西側にある小さい大文字)、妙法、船形、鳥居形の五つの紋様が山に浮かび上がる日。護摩木を積んで燃やしているとのこと。その年のコンディションを(今年は煙が多い、だとか右側のラインが長くなっているのではないか?などと)話しながら家族で送り火をみるのは楽しい習慣。
わたしは銀閣寺の近くに住んでいるので、大文字が一番身近なのだけど、大文字の点火が行われた翌日17日の朝早く大文字に登り消し炭をひろって玄関などに飾っておくと御利益がある、というようなことを近所のおばあさんからうかがう。ちょっとしたものを彼女にあげたお返しに、半紙にちゃんとくるまれて、紅白の水引できちっと結ばれた消し炭をちょうだいした。まずは送り火のお世話をしてくださっている保存会の方々が拾われるし、そのあとも割合皆さんがひろいにいかれる、そして年によってもろもろの炭になってしまっていることもあって、手に入れられることはちょっとした僥倖であることも後からきく。

のちに「京都の値段 その二」

京都の値段〈その2〉

京都の値段〈その2〉

という地元ならではの話満載の本を読んでいるときも消し炭のことが載っていて、ディープな京都人の間では有名なことなのかな、なんて思ったりしている。


2004 8/17 「消し炭」を拾いに朝、大文字に登ってみる。そんなにきつい登りでもないのだけど、朝から登ると、ちょっと疲れが残るかな。。6時台に登り始めましたけれど、もう消し炭を拾って降りてこられる方も多かった。でも7時くらいに到着してもまだまだ炭はあった。
正面にある祠にお参りしてから炭を拾い、京都タワーの辺りまで楽にみられる眺望を楽しんだ。途中わき水が出て、コップのおいてあるところもあるのだけど、とてもやわらかくてすがすがしいお水。朝からの散策山歩きもなかなかいいな。

関心空間に上の文章を載せていた時のid:windshipさんのコメント(2004/8/17)

消し炭の詳しいお話ありがとう!来年はぜひ翌朝早く登りたいです。ぽんさんは、登ってこられたのですね。すごい!ゆうべは、近所の屋上にお誘いいただいて、初めて家付近から船を見ることができました。「船」って、はっきり点いてとても可愛いのですね!気に入りました。消し炭の情報といい、毎年の送り火が新鮮に感じた今年です。

私のコメント

わたしも「船」ファン! 今年は北白川幼稚園の山にのぼってみてみたよ。「大」近すぎるかと思ったけれどみられた。そのあと他の山の点火の時間へたくそに移動してしまって「船」見ずじまいでした。。あのままいたらよかったのかな。。 あらかじめのリサーチが大切ですね。。

さらにハイパー田舎人さんという方が書いて下さった

大学時代、ワンダーフォーゲル部はこの山の祠の前で新入生歓迎キャンプをする慣わしでした。

大の字の真ん中で飲み疲れて大の字でした。罰当たりですね〜。(笑)夜は真っ暗だし、祠はあるしで、一人じゃちょっと気味悪いかも。

との言葉に森見登美彦氏の「太陽の塔」を思い出す。「大文字にのぼって頭をひやしてこい」みたいなフレーズがあったり、百万遍、北白川の風景がでてきたり、住んだことのある人だったら楽しめる雰囲気満載の本。

太陽の塔 (新潮文庫)

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