枯れ葉

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シャンソンの「枯葉」、子どもの頃よく聴く機会があったがしんみりしすぎていて苦手だった。

それが、それが。。アキ・カウリスマキの最新作「枯れ葉」の最後に流れるのを歌詞をみながら聴いていたらまさにまさに自分に向けられた歌としか思えなくなり本当に良さがわかった。もう青々しくはなくなった葉の枯れる前のほんの一瞬の輝き。この文章だけでは全く伝わらないが映画を観てからだと血肉となって刺さる。

全編監督の映画愛があふれ、静かなる構図の中の慎ましやかな人びとを観ていると小津安二郎や大勢の映画の先人の栄養を受け、それをもう独特の美しくもユーモアをまじえた表現に昇華させ現代の甘くない現実を映し出すこの人は同時代の宝だなあと思った。

今回も犬が素晴らしい働きを。そして犬につけられた名前に大いなるカウリスマキの想いを感じ、なんともいえない心地の良い空気に包まれた。