三つ数えろ

 

若い頃に「マルタの鷹」を観てピンとこなく、どうもハードボイルド苦手かもと思ったのだが、そのあと「動く標的」*1やら「ロング・グッドバイ*2やらしょぼくれ気味はイケる、と認識を新たに。ふや町映画タウンのおすすめでもあるし、そろそろこの作品も楽しめるか、と思って観たのだが、ハンフリー・ボガート演じる正統派のハードボイルドはやはり苦手かも。

冒頭依頼主が老齢の将軍というところや事件に近づくための主人公マーロウの細工や女性との接触は面白かったのだが、そのあとちょっと謎が謎呼びすぎ。幾重にもなりすぎて自分は少しついていけなかった。

ローレン・バコールの低音で低温の魅力は堪能。じっとしているシーンでの脚の角度などもすごく美しいし、ひとつひとつのショットが眼福ではある。事件を追う中で女性タクシードライバーがよい活躍をするところは清々しい。「ニューヨークの恋人たち」*3でもそうだったな。